企業は外部環境に大きく影響を受けます。
グローバル企業であれば、世界経済の影響に大きく左右されますし、
日本のある地域限定で企業活動をしている企業であれば、その地域の景気に
大きく影響を受けるのです。
また、税制が変化したり、法律が改正される場合や、国の規制が強化される
ような場合も、企業は、大きな影響を受けることになります。
このような外部環境は、自社のコントロールが及ばないので、今後の環境
がどのように変化していくかを見極め、その調査分析した結果を、経営戦略や
マーケティング戦略に反映していくことになるのです。
一般的に、外部環境分析は、マクロ環境分析とミクロ環境分析に分類する
ことができますが、まずは、マクロ環境分析について確認したいと思います。
マクロ環境分析は、その名の通り調査分析する対象範囲が膨大にありますので、
何らかの調査分析する切り口がなければ、何を調査分析するべきか、途方に暮
れてしまいそうです。
マクロ環境を分析する際は、PEST分析という手法を用いて分析すると効率的
に分析することが可能ではありますが、やはり膨大な時間・手間・コストが
かかってしまいます。
そして、マクロ環境の分析が終わった後に、今度は、ミクロ環境の分析に
着手することになります。
ミクロ環境分析は、その名の通り調査分析する対象範囲は狭いのですが、
狭いといっても調査分析するボリュームは充分ありますので、当然、時間・
手間・コストがかかってしまいます。
確かに、今後の外部環境がどのように変化していくかによって、自社に対する
影響度合いが変わってきますので、この環境分析は重要なのですが、どこまで
時間・手間・コストを掛けて調査分析するべきなのでしょうか?
ここで考えなくてはならないのは、企業は、営利を追求する集団なので、
ただ単に経済を調査分析するだけの機関ではないということなのです。
そうすると、環境分析は重要ではありますが、当然、費用対効果を考慮
して調査分析する必要がありますので、経済の書籍に書いてあることを真に
受けて、何から何まで調査分析するのは愚の骨頂ということになります。
そこで、この環境分析においても、選択と集中という考えに基づいて、
限りある経営資源をどこに注ぎ込むのかを決定する必要があるわけです。
ここで皆さんに考えて頂きたいのは、皆さんは、一体マーケットでどれくらい
のシェアを獲得しようとしているのかということです。
例えば、皆さんが、マーケットの市場規模が1000億円で、そのマーケットで
のシェアを現在の1%から2%へ拡大させたいと考えていたとします。
仮に、マーケットの市場規模自体が、経済環境の激変で1000億円から800億円
へ縮小したとしても、シェアが1%や2%の企業なら、幾らでもシェアを拡大し
売上を伸ばす余地があるのです。
しかし、市場シェアの大半を握っている企業においては、経済環境の変化で、
マーケット自体が縮小してしまうと、仮に自社のシェアに変化が無かったと
しても、売上が落ち込んでしまう可能性もあるのです。
また、どんなに経済環境が悪化しようとも、人間が生きていくために必要な
マーケットや、企業活動をするうえで必要不可欠なマーケットが、消滅して
しまうことはないのです。
そうすると、極論すれば、マーケットでの市場占有率が低い企業にとっては、
経済環境がどのように変化しようとも、外部環境を気にしすぎずに、マーケット
で儲けることだけを考えればよいということになるのです。
このように考えることができれば、おのずと外部環境分析は何を調査分析
するべきかが明らかになりますので、マクロ環境分析とミクロ環境分析の
どちらに重点を置くべきかについても考えるまでもないということになる
わけです。
このように、環境分析は何を調査分析するべきかを考える際には、
自社のマーケットでの位置づけと、費用対効果を考慮して、
マーケットでの成功要因を掴む為の調査分析に徹することが必要といえます。
御時間がある方や、外部環境分析の重要を認識された方は、
マクロ環境分析は何を調査分析するべきかや
ミクロ環境分析は何を調査分析するべきかの頁を御覧ください。
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