外部環境分析と内部環境分析のどちらが重要であるかを考える前に、
まずは、次の言葉について考えてみたいと思います。
「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ」
この言葉は、種の起源で有名なチャールズダーウィンの言葉ですが、
経営にも通じる示唆に富んだ言葉です。
企業が事業を継続するうえでも、事業環境分析を通じて、刻一刻と変化する
マーケットに対応し、変化していかなければ、生き残っていくことは難しい
ことは言うまでもありません。
そこで、事業を継続していくためにも、変化するマーケットに適応する為に、
事業環境分析をするわけなのです。
ここで皆さんに質問ですが、皆さんが、優れた企業の条件を問われた場合、
どのように答えるでしょうか?
このような質問をした場合の代表的な答えとしては、
以下のようなものがあります。
優れた企業の条件を問われた場合の代表的な答え
・優秀な経営陣がいること
・製品やサービスが優れていること
・優秀な人材が揃っていること
・ビジネスモデルが優れていること
・優れた組織が構築されていること
・社員のモチベーションを高める仕組みがあること
・マーケティングが優れていること
・オンリーワンの製品やサービスを提供していること
・ブランド力があること
・マーケットのシェアが高いこと
・売上高が大きいだけでなく利益率が高いこと
・キャッシュフローの創出能力が高いこと
・自己資本率が高いこと
・資産効率が高いこと
上記の代表的な答えを見ると、どの答えも、確かに優れた企業が
持ち合わせていることばかりなのですが、何か、重要なことが
抜け落ちている気がしませんか?
もし、その重要なことが思い浮かばないような場合は、
もう一度次の言葉を思い出す必要があります。
その言葉とは、チャールズダーウィンが語った、
「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ」
という言葉です。
この言葉を再確認すると、生き残るのは、強い者や頭の良い者ではなく、
変化することができる者だと言っているのです。
そうすると、この言葉を借りて優れた企業の条件を表現すると、
「時代の変化に適応できる」ということになると思います。
ここで皆さんに考えて頂きたいことは、どんなにその時点で企業規模が
大きく優秀な人材が揃っているような企業でも、時代の変化に適応でき
なければマーケットから消え去っていくことは、歴史が証明しているのです。
そしてこれは、企業に限らず、大昔であれば、恐竜が絶滅したのも、
環境の変化に対応することができなかったからであり、ローマ帝国や歴史上最大
の帝国であるモンゴル帝国が滅んだのも、ひとえに時代の変化に対応すること
ができなかったからなのです。
このようなことを考慮すると、最も重要な優れた企業の条件とは、
「時代の変化に適応できる」ことにつきるのではないでしょうか。
このように考えていくと、外部環境分析と内部環境分析のどちらが
重要であるかは、既に答えがでているようなものです。
仮に、自社の分析だけをして、自分達が勝手に、この分野は自分達の強み
だと考えたり、この分野は自分達の弱みだから補完しようと考えることに
何の意味があるのでしょうか?
全ては、自社を取り巻く外部環境次第で、自分達の強みだと思っていたことが、
外部を知ることで、実は、それほどの強みではないことがはっきりしたり、
自分達の弱みだから補完しようと考えていたことが、外部を知ることで、
補完しようと思っていること自体が、会社には必要のないことだと認識
できる場合があるのです。
そうすると、外部環境次第で、自社において何をするべきかが変化する
はずなので、内部環境分析よりも外部環境分析の方が遥かに重要である
ことは疑いようのない事実といえます。
要するに、優れた企業の条件は、「変化と適応」なので、変化を掴み、
その変化に対応する為には、なによりも外部環境分析が重要という
ことなのです。
このように、外部環境分析と内部環境分析を比較すると、企業にとっては、
マーケットでの成功要因を掴む為の外部環境分析の方が、遥かに重要である
ことに間違いはありませんので、いかに外部環境分析をするかが、優れた企業
になるための条件といえるでしょう。
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