総資産利益率(ROA)とは、総資産に対する利益率で、当期純利益を総資産で
割って算出した数値であり、総資産利益率は、財務分析の効率性分析手法で
もあります。
この総資産利益率は、企業が保有する全ての資産を活用して事業でどれだけ
効率的に利益を上げているかをあらわす指標であり、総資産利益率は、
企業の総合的な効率性を示す財務指標ともいえます。
※全産業総資産利益率(ROA)データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の総資産利益率(ROA)データ)
・全産業総資産利益率(ROA)
・製造業総資産利益率(ROA)
・非製造業総資産利益率(ROA)
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また、総資産利益率は、ROAと呼ばれることも多いのですが、ROAは、
Return On Assetsを略したものです。
そして、総資産利益率と並んで財務分析で用いられる指標に、株主資本利益率(ROE)
がありますが、株主資本利益率は財務レバレッジを効かせることで改善することが
出来るので、企業の総合的な効率性を見る場合は、株主資本利益率よりも
総資産利益率を見るべきです。
また、総資産利益率を改善する為には、ROAの計算式を見ても明らかなように、
分子である利益を増加させるか、分母である総資産を圧縮すれば、
総資産利益率は改善します。
この総資産利益率(ROA)の改善策としては、不要資産を処分し総資産を
圧縮することと、各資産の回転期間を短縮することがまず考えられ、
次に、利益を増加させて、総資産利益率(ROA)を改善する策としては、
財務レバレッジを効かせることが考えられますが、他人資本コスト(金利)より、
事業の利益率が高くなければ、総資産利益率の改善には繋がらない
可能性もありますので、本業の収益力が高い企業でなければ、財務レバレッジを
効かせて、総資産利益率を改善することは難しいでしょう。
また、金融市場からの調達コストが上昇している経済状況の中では、
当然、財務レバレッジを効かして、総資産利益率を改善することは
難しくなります。
尚、総資産利益率(ROA)は、固定資産の多い製造業などの業種分析に適した
財務指標でもあり、総資産利益率を見ることで、保有する固定資産をどれだけ
有効活用しているかを測定することもできます。
計算式・・・総資産利益率(ROA)= 当期純利益 ÷ 総資産 × 100
ちなみに、下記のデータは、東証一部・二部・マザーズの2009年度決算短信(連結ベース)を合計した、
セクター別の総資産経常利益率ランキングです。
総資産経常利益率ランキング(業種別)※金融機関は除く
(単位:%)
業 種 | 集計社数 | 総資産経常利益率 | |
全産業 | 2,113 | 3.14 | |
製造業 | 1,074 | 2.61 | |
非製造業 | 1,039 | 3.76 | |
総資産経常利益率ランキング(セクター別) | |||
1 | 鉱業セクター | 5 | 17.97 |
2 | 医薬品セクター | 39 | 10.74 |
3 | 情報・通信業セクター | 171 | 7.86 |
4 | その他製品セクター | 63 | 6.22 |
5 | サービス業セクター | 173 | 5.81 |
6 | 食料品セクター | 93 | 5.75 |
7 | 小売業セクター | 198 | 5.42 |
8 | 倉庫・運輸関連業セクター | 30 | 3.97 |
9 | 精密機器セクター | 34 | 3.96 |
10 | 化学セクター | 146 | 3.66 |
11 | パルプ・紙セクター | 15 | 3.28 |
12 | ガラス・土石製品セクター | 39 | 3.02 |
13 | 陸運業セクター | 44 | 2.71 |
14 | ゴム製品セクター | 16 | 2.69 |
15 | 卸売業セクター | 184 | 2.65 |
16 | 非鉄金属セクター | 29 | 2.51 |
17 | 水産・農林業セクター | 6 | 2.50 |
18 | 建設業セクター | 118 | 2.39 |
19 | 電気・ガス業セクター | 24 | 2.29 |
20 | 機械セクター | 160 | 2.26 |
21 | 不動産業セクター | 69 | 2.08 |
22 | 輸送用機器セクター | 80 | 2.01 |
23 | 電気機器セクター | 202 | 1.49 |
24 | 繊維製品セクター | 51 | 1.12 |
25 | 鉄鋼セクター | 43 | 0.29 |
26 | 金属製品セクター | 53 | 0.27 |
27 | 石油・石炭製品セクター | 11 | -0.36 |
28 | 海運業セクター | 12 | -1.19 |
29 | 空運業セクター | 5 | -4.20 |