No112・・・長期金利
長期金利とは、期間が1年以上の借入金の金利のことで、
日本国内で長期金利といえば、10年物国債のことを指しており、
長期金利は、国内外の景気等の経済動向と需要と供給の市場バランスを
反映して金利が市場で決定されます。
この長期金利は、企業の設備投資や個人の住宅購入を大きく左右する要因で、
経済の先行きとも密接な関係があり、長期金利は、住宅ローン金利や
銀行が企業へ貸し出す際の金利を決定する時の目安にもなります。
ちなみに、イールドカーブとは、債券の償還までの期間である残存期間と
利回りの変化をグラフにしたものです。
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そして長期金利は、イールドスプレッドを算出する際にも利用され、
イールドスプレッドとは、長期金利(10年物国債)と株式益回りの関係から、
債券への投資が適しているのか、株式への投資が適しているのかを
判断する指標です。
また、長期金利は、経済のバロメーターでもあり、景気が良く経済活動が
活発な時期は、長期金利は上昇する傾向になり、逆に景気が悪く経済活動が
低調な時期は、長期金利は低下する傾向になります。
そして、長期金利の変動は為替レートにも影響を与える場合があり、
例えば、日本の景気が回復することで長期金利が上昇した場合に、
日本の債券等の投資魅力が増し、日本円を買う動きに繋がり、
円安ではなく円高に為替相場が振れる場合もあり、特に近年は、
日本は低金利が続いていた為、円のキャリー取引が活発に利用されたこともあり、
そのようなキャリー取引が活発に利用されていた場合は、
円キャリー取引を解消する動きが激しくなり、
急激な円高に発展するケースもあります。
また、一般的には10年物国債が長期金利の指標となっていますが、
この10年物国債は、必ずしも景気が悪く経済活動が低調な時だけに
利回りが低下するのではなく、信用不安である金融不安が起こった時などは、
質への逃避から積極的に10年物国債が買われ、利回りの低下が起こることがあります。
尚、長期金利と債券の関係は、債券価格が上昇すれば、利回りは低下し、
逆に債券価格が下落すれば、利回りは上昇します。
ちなみに、日本では、経済や金融の複合的要因により、長期金利が歴史的な低金利の状態が続いていますが、
日本で、長期金利が上昇した場合の影響やリスク要因には下記のような項目があります。
日本で、長期金利が上昇した場合の影響やリスク要因
■国債の利払いが急増して、格付けが低下し、新規の国債発行が困難になりデフォルトの可能性が高まる。
■住宅ローンを変動金利で借りている人が大半なので、住宅ローン破産が急増する。
■銀行・生命保険会社・損害保険会社などの金融機関は多額の国債を保有している為、
多額の評価損が発生することで、格付けが低下して、デフォルトの可能性が高まる。
※借入金の金利等に関するデータの推移を調べるには、日本銀行の預金・貸出関連統計データを
を確認することをお勧めします。
日本銀行の預金・貸出関連統計の項目
■預金関連
・預金種類別店頭表示金利の平均年利率等
・定期預金の預入期間別平均金利
・預金者別預金
・定期預金の残高および新規受入高
・預金・現金・貸出金
・都道府県別預金・現金・貸出金
・貸出・資金吸収動向等
■貸出関連
・長・短期プライムレート(主要行)
・貸出約定平均金利
・預金・現金・貸出金
・都道府県別預金・現金・貸出金
・貸出先別貸出金その他貸出残高
・貸出・資金吸収動向等
・コミットメントライン契約額、利用額
・主要銀行貸出動向アンケート調査