No1661・・・自己創設のれん
自己創設のれんとは、長年の企業活動によって創出されてきたブランドをはじめとした
超過収益力を自己で評価したことであり、自己創設のれんは、取得原価を正確に測定できず、
経営者が自らの考えで自己評価した金額を対価の金額ととてしまう可能性があるために、
自己創設のれんは、国際会計基準(IFRS)においても貸借対照表に計上することはできません。
ifrsにおける自己創設のれんの考え方は、まず、無形資産の認識条件である、
自己創設のれんの取得原価を信頼しうる方法で測定できることというところで、
すでに、無形資産としての認識ができないということになり、
自己創設のれんは、のれん自体を企業から分離したり、のれん自体を単独で売却譲渡したり、
のれん自体のライセンス付与をしたり、のれん自体を賃貸や交換することが不可能であることも、
自己創設のれんが、ifrsにおいても財務諸表に計上禁止となっている理由です。
これらの理由から、例え、自己創設のれんが、将来の経済的便益を生むものであるとしても、
取得価額を信頼しうる方法で測定できず、客観的な貨幣価値にて評価することが不可能であるので、
無形資産として認識することができないわけです。
しかし、いくら貸借対照表に計上することができなくても、自己創設のれんは、
企業の立派な資産といえるものなので、数字では評価していない、簿外の含み資産といえるものです。
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自己創設のれんに対して、会計上で認められている、のれんとは、企業を買収したときにのみ発生するものであり、
のれんには、買収企業の買収価格が被買収企業の純資産を超えている場合に発生する、正ののれんと、
買収価格が被買収企業の純資産を下回っている場合に発生する、負ののれんがあり、
日本の会計基準では、正ののれん償却は20年以内に定額法等により、負ののれんは特別利益として一括償却
することになりますが、ifrsにおいては、正ののれん代は償却はせず、事業年度毎に最低年1回以上は
減損テストを行うことが求められており、ifrsにおいては、負ののれん代は特別利益として
一括償却されることになります。
このように、のれんに関するifrsと日本の会計基準の相違は、正ののれん償却に関する
取り扱い方法だけになっています。
また、ifrsでは、減損の兆候の有無に関係なく、耐用年数を確定できない無形資産や使用が不可能な無形資産と
のれんについては、減損テストを実施することが求められています。
減損テストとは、減損対象資産が毀損していないかどうかを確認する為に、
回収可能額と帳簿価額とを比較することです。
以前、営業権といわれていたものが、のれんなので、のれんと営業権の違いは無く同一のものであり、
のれんは、のれん代とも呼ばれますが、バランスシートに計上する際の正式な勘定科目は、「のれん」です。
この自己創設のれんが大きい企業が、企業価値評価をする際に、最も企業価値の算定が難しい企業なのですが、
自己創設のれんが大きな企業は、同業他社を遥かに上回る超過収益力を持っており、その超過収益力の源泉は、
企業が地道な事業活動により積み重ねた信頼の証であるブランドやサービス・商品・営業のノウハウ、人材等の、
客観的な数字として評価することが難しい部分なので、自己創設のれんが大きい企業を買収する時の買収価格は、
被買収企業の純資産を大幅に超えることになるわけです。
ちなみに、のれん代が発生する主な企業としては、含み資産が多額に存在する企業や版権や特許法に基づく
特許権・商標権などの法的な権利である資産を多数保有している企業、そして、地道な経営活動により積み重ねた
信頼の証である商品やサービスのブランド価値の高い企業などです。
自己創設のれんに関連する用語
・正ののれん代
・正ののれん
・負ののれん代
・負ののれん
・のれん
・営業権
・版権
・特許権
・特許法
・無形資産
・商標権
・コンテンツ
・ソフトウエア
・キラーコンテンツ
・版権ビジネス
・のれん代