No18・・・運転資金
運転資金とは、在庫投資や仕入の支払と売上の回収にズレが生じる
場合に発生する事業活動をしていく上で必要な資金であり、運転資金は、
流動資産の売上債権と棚卸資産を合計した金額から、流動負債の
仕入債務を差し引き算出し、運転資金の管理は資金繰り(資金管理)には
欠かすことが出来ません。
また、運転資金は、企業が急成長をしている時に、適切な財務管理が
出来ていないと、日を追うごとに増加していくものなので、運転資金の
仕組みを理解せず資金繰りを組んでいると、利益が多額に出ている
企業でも資金ショートを起こし黒字倒産に至る危険性もあります。
ちなみに、運転資金の発生原因は、販売サイト、回収サイト、支払サイトの
各サイトの期間の変化が原因となります。
※全産業運転資金データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の運転資金データ)
・全産業運転資金
・製造業運転資金
・非製造業運転資金
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この運転資金の管理には、運転資金計画作成の際に計画した回転期間乖離と
実績の回転期間乖離を定期的にチェックして、そのギャップを直ちに埋める
改善活動が出来るような、PDCAサイクルを運用することが重要です。
尚、運転資金の計算方法と回転期間乖離の計算式は、下記のようになります。
運転資金の計算方法
■運転資金=売上債権+棚卸資産−仕入債務
回転期間乖離の計算式
■回転期間乖離=売上債権回転期間+棚卸資産回転期間−仕入債務回転期間
この運転資金は、回転期間乖離の計算式からも明らかなように、貸借対照表(BS)の
売上債権、棚卸資産、仕入債務の、回転期間次第で大きく変化します。
ゆえに、運転資金をコントロールをする為に、売上債権回転期間、棚卸資産回転期間、
仕入債務回転期間等の計画を立て、予算の貸借対照表(BS)を作成して、運転資金の
予算実績管理をする必要があります。
また、運転資金は、運転資本、経常運転資金、所要運転資金、必要運転資金、
必要運転資本、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)とも呼ばれており、
増加運転資金とは、2期間の運転資金を比較した場合に、運転資金が増加している時の、
その増加金額を示す資金です。
そして、総合予算を作成する際は、運転資金の仕組みの理解が欠かせませんので、
運転資金の仕組みは、経理部、財務部、経営企画室に所属する社員であれば、
必ず理解しておくべきことです。
ちなみに、中計で、運転資金計画を作成する際は、売上債権回転期間、棚卸資産回転期間、
仕入債務回転期間を活用して作成します。
ところで、運転資金の調達方法としては、銀行や日本政策金融公庫などの金融機関からの普通借入れや
コミットメントライン契約や当座貸越契約などが考えられます。
しかし、最近は、新たな運転資金の調達方法として、売掛債権担保融資も選択肢の一つとして考えられ、
売掛債権担保融資は、動産・債権譲渡特例法が平成17年10月1日から施行されたおかげで、
取引先への通知をすることなく、第三者対抗要件が具備できるようになったので、
運転資金の調達手段として使いやすくなりました。
また、売掛債権担保融資とファクタリングの違いとしては、ファクタリングは売上債権の買取を
するという点なのですが、ファクタリングを利用する場合は、クライアントに売上債権を譲渡した
事実の通知をしなければなりませんが、売掛債権担保融資は、売上債権の買取ではないので、
クライアントへの通知の必要がありません。
尚、売掛債権担保融資を利用した場合は、ファクタリングと異なり、売上債権の回収は自社で行うことになりますので、
運転資金の調達をする際に、一般的な融資を利用するだけでなく、売掛債権担保融資という資金調達手段も、
運転資金の調達方法として財務戦略の一つに加えるべきでしょう。
運転資金に関連する用語
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー