No267・・・売上高
売上高とは、企業が提供する主たる営業活動である商品・製品の販売や
サービスの提供などにより獲得した金額を処理する収益の勘定科目です。
売上高は、企業が複数の事業を営む場合には適当な区分により分類し、
売上高は、企業活動の結果、企業が成長しているかどうかを的確に
示すものなので、損益計算書(PL)の中でも最も重要視すべき勘定科目の1つです。
そして、売上高の金額は、単価と数量で決定しますので、売上高を
増加させるためには、単価を増加させるか、数量を増やす企業努力を
する必要があります。
売上高や仕入高の計上基準としては、販売基準(引渡基準・納品基準)、検収基準、
出荷基準(発送基準)があります。
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ちなみに、予算である売上計画は、売上予算と売上代金回収計画で構成されており、
売上管理をする為のスタートラインは、売上計画を作成することです。
また、売上高の計上基準としては、出荷基準(発送基準)、
販売基準(引渡基準・納品基準)、検収基準があり、
売上高の計上基準としては、検収基準が最も保守的で堅実な
会計処理になります。
そして、売上高の計上基準は、商品・製品の販売やサービスの
提供内容によって、企業の判断により独自に決定できますが、
一度決定した売上高計上基準は継続して適用する必要があります。
また、売上高の控除勘定科目には、売上値引高(売上値引)、売上戻り高、
売上割戻し、売上割引などがあり、売上値引高、売上戻り高、売上割戻し、
の勘定科目は、総額主義に基づく会計処理をした場合に用いられ、売上割引は
金融費用の性質を持つ為、売上高から直接控除はできません。
次に、外貨建取引の売上高を会計処理する場合は、取引発生時点の
為替相場により円換算を行い、売上高を計上することになります。
その、外貨建取引の売上高を会計処理する場合の、取引発生時点の
為替相場とは、取引日の対顧客電信売相場(TTS)ではなく、対顧客電信買相場(TTB)か
対顧客電信仲値相場(TTM)のことで、継続適用を条件に、取引日の属する月の前月や
前週の平均相場のような、1ヵ月以内の一定期間内のTTB(電信買相場)か
TTM(電信売買相場の仲値)の平均値を適用することも出来ます。
尚、売上高の外貨建取引の会計処理については、法人税法では、
TTM(電信売買相場の仲値)の適用が原則で、電信売買レートについても、
企業の主たる取引金融機関のものを適用することが原則とされています。
※売上高の仕訳例は下記の通りです。
例・・・得意先へ商品1050(税込)を掛けで販売した場合。
(借方) | (貸方) | ||
売掛金 | 1050 | 売上高 | 1000 |
仮受消費税等 | 50 |
■売上高に関する項目
・会計の知識の無い方は、年商と売上高の違いについて質問される方が多いのですが、
年商とは、年間売上高のことを意味しています。
・損益分岐点売上高とは、売上と費用が等しく利益も損失も発生しない売上高のことです。
・課税売上高とは、消費税が課税される対象の売上高のことです。
・ 売上高総利益率(売上高粗利益率)とは、企業活動において獲得した売上高に対し、
売上総利益が占める割合を示した財務指標です。
・売上高営業利益率とは、営業利益を売上高で割った財務指標です。
・売上高経常利益率とは、企業活動において獲得した売上高に対して、
経常利益が占める割合を示した財務指標です。
・純売上高とは、総売上高から、売上戻り高、売上割戻し、売上割引を差し引いて算出した
金額のことです。
・人時売上高とは、売上高を総労働時間数で割ることにより算出した数値のことで、
人時売上高の数値は高い方が好ましいことはいうまでもありません。
人時売上高計算式
人時売上高=売上高÷総労働時間数(全従業員の労働時間数合計)