No30・・・売上債権(売掛金・受取手形)
売上債権(売掛金・受取手形)とは、クライアントとの信用にもとづき
営業活動の中で発生した、売掛金や手形債権である受取手形を総称した債権のことで、
売上債権が発生することは取引先に与信を与え信用取引していることになり、
売上債権の回収サイトは資金繰りに大きな影響を与えます。
一般的に、企業間で商取引を行なう際には、現金決済されることは少なく、
将来の一定期日に納品書・受領書に基づき発行された請求書を基に
売上債権は決済されます。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
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また、売上高が一定であるのに、売上債権(売掛金・受取手形)が増加することは要注意で、
売上債権が増加する理由としては、回収遅延が生じている債権があること、売上債権の
回収サイトが長期化していること、手形の回収が増加していること、現金売上が
減少していること等があります。
そして、売上債権の回収サイトが長期化する理由として、取引先が大企業であることや、
営業政策上、取引先との関係を強化したい為に自社の基本の取引条件を緩和している
ケース等があります。
また、売上債権の管理は与信管理業務でもありますが、与信管理をする際は、
回収リスクと営業政策のバランスを取らなければ、財務の健全性を維持することと
業績の向上を両立させることは出来ません。
そして、売上債権(売掛金・受取手形)の回収サイトは資金繰りに大きな影響を与えるので、
売上債権を管理する際は、売上計画を作成する際に計画した売上債権の回収サイトと
実績の売上債権回収サイトを常時チェックすることが必要で、計画上の売上債権回収サイトより
実際の売上債権回収サイトが長期化すれば、それだけ資金繰りを圧迫することになるので、
売上債権回収サイトの管理はとても重要な業務プロセスなのです。
ちなみに、売上債権の回転期間分析においては、売上債権回転期間が大きくなると
企業の資金繰りにとってはデメリットになり、回転率分析においては、売上債権回転率が
大きくなると企業の資金繰りにとってはメリットになります。
尚、売上債権(売掛金・受取手形)は適切な管理をする必要がありますが、
売上債権管理のポイント は次の通りです。
1.クライアント毎に売掛金管理台帳を作成する。
2.売掛金の回収基準毎にグループ分けする。
3.得意先毎の売掛金管理台帳より売掛金残高と回収予定日・回収予定金額
を全ての得意先の概要が確認出来る資料を作成し売掛金全体の概要を把握する。
4.得意先へ請求書の発行や売掛金回収は取引条件通りに確実に実行する。
5.与信管理においては与信限度額を信じ込み機械的に処理せず、クライアント
の現状調査情報を営業サイドからヒヤリングする
6.クライアント毎に売掛金の年齢を調査する
ところで、運転資金の調達方法としては、銀行や日本政策金融公庫などの金融機関からの普通借入れや
コミットメントライン契約や当座貸越契約などが考えられます。
しかし、最近は、新たな運転資金の調達方法として、売掛債権担保融資も選択肢の一つとして考えられ、
売上債権担保融資は、動産・債権譲渡特例法が平成17年10月1日から施行されたおかげで、
取引先への通知をすることなく、第三者対抗要件が具備できるようになったので、
運転資金の調達手段として使いやすくなりました。
また、売上債権担保融資とファクタリングの違いとしては、ファクタリングは売上債権の買取を
するという点なのですが、ファクタリングを利用する場合は、クライアントに売上債権を譲渡した
事実の通知をしなければなりませんが、売上債権担保融資は、売上債権の買取ではないので、
クライアントへの通知の必要がありません。
尚、売上債権担保融資を利用した場合は、ファクタリングと異なり、売上債権の回収は自社で行うことになりますので、
運転資金の調達をする際に、一般的な融資を利用するだけでなく、売上債権担保融資という資金調達手段も、
運転資金の調達方法として財務戦略の一つに加えるべきでしょう。
売上債権に関連する用語
※流動資産担保融資保証制度、売掛金、完成工事未収入金、商品、製品、仕掛品、半製品、原材料
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー
※キャッシュフロー計算書、財務諸表、不動産情報