No333・・・原子力発電
原子力発電とは、ウランなどを燃料として、核分裂の際に発生する
熱エネルギーを利用して発電する方法で、この原子力発電を行なう
場所が原子力発電所であり、原子力発電は、電気の発電コストが
最も廉価なエネルギー源であり、CO2の排出量が少ないことも
特徴の1つです。
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この原子力発電所は、経済産業省・資源エネルギー庁の調査によると、
2008年1月末において世界で運転中の原子力発電所基数は435基あり、
この原子力発電による発電量は、全世界の電力の約16%にあたり、
原子力発電を利用している世界上位11ヶ国の発電量と
原子力発電所基数は下記の通りです。
2008年1月末現在 経済産業省・資源エネルギー庁の調査より
国名 | 発電量 | 原子力発電所数 |
@米国 | 10726万kW | 104基 |
Aフランス | 6765万kW | 60基 |
B日本 | 6709万kW | 69基 |
Cロシア | 3484万kW | 40基 |
D韓国 | 2731万kW | 28基 |
E中国 | 2501万kW | 27基 |
Fドイツ | 2137万kW | 17基 |
Gウクライナ | 1583万kW | 17基 |
Hインド | 1408万kW | 31基 |
Iカナダ | 1342万kW | 18基 |
Jイギリス | 1195万kW | 19基 |
この原子力発電は、安全性の問題から様々な批判がありますが、中国、ロシア、
インド、ブラジルなどのBRICs諸国を筆頭とする新興国の台頭で、電力需要は
飛躍的に増加し、その影響もあり、WTI原油をはじめとする、資源価格の高騰に
繋がった為、エネルギー効率の観点からも必然的に原子力発電の需要が高まり、
近年、世界中で原子力発電所の建設ラッシュとなっています。
ちなみに、世界で最も国として原子力発電に取組んでいるのはフランスで、
フランスは、電気供給の約80%が原子力発電であり、周辺国へも電力を
輸出している原子力大国です。
また、フランスの電気料金は欧州の中で最も低い国の一つとして有名です。
ちなみに、原子力発電は、日本国内の電力供給の約30%を担っており、
新潟県中越沖地震により運転中止になっていた、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所は、
世界最大の発電量を誇る原子力発電所で、柏崎刈羽原子力発電所の発電量は
東京電力全体の発電量の約20%を占めています。
このように、原子力発電はエネルギー源としては、不可欠なものである為、
原子力発電を利用した原子力発電所に絡むビジネスは、非常に巨大で将来性もある
社会インフラ産業です。
そして、原子力発電用の原子炉としては、加圧水型原子炉(PWR)、
沸騰水型原子炉(BWR)なとがあり、加圧水型原子炉(PWR)のメーカーとしては、
世界最大手のフランス国営原子力企業のアレバ(Areva)、三菱重工、
WH(ウエスチングハウス)があり、沸騰水型原子炉(BWR)のメーカーとしては、
日立製作所、東芝、GE などがあります。
また、原子力発電の中核となる原子炉容器である圧力容器というものがありますが、
日本製鋼所は、これを製造出来る世界で唯一のメーカーであり、日本製鋼所の
室蘭製作所では、単一の鋼塊をくり抜き放射能漏れの恐れが極めて少ない
原子炉容器を製造することができます。
そして、原子力発電の燃料として欠かせないウランはレアメタル(希少金属)では
ありませんが、ウランの資源争奪戦も激しさを増しており、世界のウラン埋蔵量のうち、
オーストラリア25%、カザフスタン17%、カナダ9%と、この3ヵ国でウラン埋蔵量の51%を
占めており、原子力発電においても、ウランという燃料資源の供給体制を確保する
ことが重要なポイントとなっており、世界の様々な国や原子炉メーカーが、
ウラン鉱山の権益確保に積極的に乗り出しています。
尚、100万kWの電気出力をする原子力発電所では、年間に約21トンのウランが必要になります。
ちなみに、炉心溶融(メルトダウン)とは、原子力発電所の原子炉の炉心にある核燃料が水中から露出して
核燃料の温度が上昇することで、原子炉圧力容器などが破損したり溶けたりすることを意味する
原子力事故のことで、炉心溶融(メルトダウン)が進むと、原子炉の炉心が爆発を起こして、
外部に放射能をまき散らしてしまう大惨事となり、過去に炉心溶融(メルトダウン)を起こした原発事故は
三件あります。
過去の炉心溶融事故(大規模な原発事故)
■チェルノブイリ原子力発電所事故(1986年 )
■スリーマイル島原子力発電所事故(1979年)
■エンリコ・フェルミ炉(1966年)
※下記は、国際原子力機関(IAEA)と経済協力開発機構原子力機関 (OECD/NEA) が策定した、
原子力発電所の事故の影響度合いを標準化する為の尺度です。
国際原子力事象評価尺度(INES) ■レベル7(深刻な事故) ■レベル6(大事故) ■レベル5(原子力発電所外へのリスクを伴う事故) ■レベル4(原子力発電所外への大きなリスクを伴わない事故) ■レベル3(重大な異常事象) ■レベル2(異常事象) ■レベル1(逸脱) ■レベル0(尺度以下) |
※プルトニウムは自然界には存在しない元素で放射能が強く長持ちする人工の放射性物質であり、
プルトニウムの放射能が半減するまでには2万4千年も要します。
※MOX燃料は、燃えやすいウランとプルトニウムが混合した燃料のことで、
MOX燃料は、プルサーマル原発で利用されています。
※プルサーマルとは、MOX燃料を原子力発電所で利用することを示す造語であり、
MOX燃料を利用している原子力発電所を、プルサーマル原発(プルサーマル原子力発電所)
と呼んでいます。
※放射線量の単位であるシーベルトとは、ある期間に被ばくした量の合計を示す単位のことで、
シーベルトは、毎秒、毎分、毎時、毎日、毎月、毎年で表現します。
例えば、1時間に0.1ミリシーベルトの場所に24時間居続けると2.4ミリシーベルト被爆したことになり、
1時間に0.1ミリシーベルトの場所に1年間居続けると876ミリシーベルト被爆したことになります。
尚、4シーベルト被曝すると死に至り、400ミリシーベルト被曝すると白血病を引き起こすと
いわれており、法律で定められている普通の人の被爆限度量は、1年間に1ミリシーベルトです。
ちなみに、シーベルト、ミリシーベルト、マイクロシーベルト、ベクトルをそれぞれの単位で
換算すると下記の関係となります。
1シーベルト=1000ミリシーベルト=100万マイクロシーベルト=4500万ベクトル
※放射線量の単位・・・シーベルト=Sv、ミリシーベルト=mSv、マイクロシーベルト=μSv、ベクトル=Bq