No345・・・貸倒引当金繰入額
貸倒引当金繰入額とは、企業活動の中で発生した、売掛金、
受取手形、未収入金、貸付金、前払金・前渡金、立替金、
未収収益などの全ての金銭債権に対する回収不能見込額を
計上する際に用いる費用の勘定科目です。
この貸倒引当金繰入額は、非現金支出費用のため
キャッシュフローには影響が無く、消費税は不課税取引であり、
貸倒引当金繰入額の会計処理方法は、前期計上分を全額戻入処理し、
当期分を改めて計上する洗替法と、前期計上分と当期に計上すべき
金額を比較し、その過不足金額を調整する差額補充法があります。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
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また、貸倒引当金繰入額の計算方法には、法人税法上の計算方法を
採用する場合と、会計上、企業が合理的と考える個別の企業ごとの
金銭債権に対する回収不能見込額を算定する方法があります。
また、法人税法上の貸倒引当金繰入額の計算方法には、個別評価方法と
一括評価方法があり、個別評価方法とは、法人税基本通達11−2−2に
個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の規定があり、この規定は、
会社更生法や民事再生法の申請等をした企業の金銭債権に対して、
繰入限度額までは、損金算入が認められる内容で、一括評価方法とは、
法人税基本通達11−2−1に一括評価金銭債権に係る貸倒引当金が
規定されおり、この規定は、金銭債権を一括して貸倒引当金の
計算対象とする方法です。
そして、法人税法上の一括評価金銭債権に係る貸倒引当金繰入額の
計算方法には、過去3年間の貸倒実績率を基に繰入限度額を計算する
方法と、法人税法に定められた法定繰入率を基に繰入限度額を
計算する方法があります。
また、法人税法上の個別評価金銭債権に係る貸倒引当金繰入額の
計算をする際は、形式基準により設定する場合と、弁済猶予や
賦払弁済の場合があり、形式基準において判定する際は、
下記のケースなどに該当する場合は、個別評価金銭債権から、
債務者から受け入れている金銭や担保権、金融機関などにより
保証されている金額を差引いた金額の50%を損金算入すること
ができます。
@手形交換所にて取引停止処分を受けている場合
A会社更生法の開始申立て
B民事再生法の開始申立て
C破産法の申立て
D会社法による特別清算や会社整理申立て
尚、販売費及び一般管理費である貸倒引当金繰入額の予算作成の際は、
過去の実績などを加味した回収不能見込額を考慮して予算を作成する
ことになります。
ちなみに、貸倒償却とは、売掛金や貸付金等の債権が回収不能になった時に、
引当金計上している貸倒引当金を超える場合に使用する費用の勘定科目のことで、
一般的には、貸倒償却ではなく、貸倒損失という勘定科目を
使用しますので、貸倒償却と貸倒損失に違いがあるわけではありません。
また、当期より前の事業年度に貸倒償却をした債権が回収できた時に使用する勘定科目が
償却債権取立益で、償却債権取立益は、特別利益となります。
※貸倒引当金繰入額の仕訳例は下記の通りです。
例・・・過去3年間の貸倒実績率を基に貸倒引当金1000を計上した場合。
(借方) | (貸方) | ||
貸倒引当金繰入額 | 1000 | 貸倒引当金 | 1000 |
貸倒引当金繰入額に関連する用語
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー
※予算
※金融、金利、不動産情報