No351・・・サブプライムローン
サブプライムローンとは、信用力が低く低所得である個人向け
ローンのことで、このような信用力が低い低所得者をサブプライムと
呼ぶところからこのような名称となり、サブプライムローンの
プライムとは、優良という意味である為、サブプライムローンは、
直訳すると準優良ローンという意味になります。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
■ビジネススキルを磨くマンツーマンセミナーと通信講座のご案内
※セミナー会場は、JR山手線秋葉原駅徒歩1分(受講可能日時・平日・土日・祝祭日7時~23時)
※各種通信講座は、受講期間6ヶ月から1年間(電子メールによる質問が何回でも可能)
・経営管理セミナー ・予算作成セミナー ・営業マーケティング研修(マンツーマンセミナー)
・予算作成通信講座 ・経営管理通信講座 ・経営計画作成通信講座
■各種コラム・ちょっと気になる四方山話・不動産相場情報
・経理利益貢献度・経理合理化の後に残るもの・いる社員といらない社員・四方山話・日本の不動産相場
■法人向けサービス(マーケティング、財務等の各種コンサルティング)
・社員研修セミナー(経理・財務・営業の社員研修) ・管理職代行サービス ・1日コンサルティング
このサブプライムローンは、米国の黒人やヒスパニック系移民などの
低所得者向けに開発された住宅ローンで、これまで低所得で
住宅ローンを組めなかった、自己破産暦がある人やクレジットカードすら
持てない人もローンの対象とした酷い商品設計の悪質なローンであり、
返済内容も3年経過後は支払額が飛躍的に増加し、ほとんどの債務者が
返済不能になることは間違いないと思われていた住宅ローンでした。
また、サブプライムローンを躊躇する人には、米国の住宅価格は上昇を
続けるという住宅神話を持ち出し、数年後には住宅価格が上昇しているので、
支払いを続けるのが難しければ売却して売却益を手に入れることも出来るし、
住宅価格が上昇すれば、その値上がり分を担保にして低金利のローンに
借換え出来るとの営業トークで、サブプライムローンの仕組みが
理解できない人や、英文契約書も読めないヒスパニック系移民を
ターゲットにした住宅ローンでした。
そして、サブプライムローンの流れとしては、住宅ローン会社が
サブプライム層(低所得・低信用の人達)に融資しをし、そのローンを
銀行などの金融機関が買い取り、CDOという金融商品として小口証券化して
投資家に販売したり、あるいは、CDOを原資産とするデリバティブ金融商品を
組成し投資家に販売した為、サブプライムローンのリスクの高さが
全く見えない暗い闇の中へ葬られてしまいました。
しかも、このようなサブプライムローンが組込まれた住宅ローン担保証券を含む金融商品を
ムーディーズやスタンダード&プアーズ(S&P)などの格付け機関が
トリプルAランクの評価をつけたことで、世界中の個人投資家・機関投資家・
金融機関がサブプライムローンが組込まれた金融商品を購入する
事態に至りました。
ちなみに、ムーディーズやスタンダード&プアーズ(S&P)などの
格付け機関がサブプライムローンが組込まれた金融商品にトリプルAランクの
格付けを付けた理由は、モノラインという金融保証会社が債務保証をしていた
からであり、モノライン自体の格付けは、サブプライムローン問題が発生する
前は、最高格付けのトリプルAを誇っていました。
このような背景によりサブプライムローンが世界中の個人投資家・
機関投資家・金融機関などに浸透して、2008年の金融危機の発端となる、
サブプライムローン問題として世間を賑わすようになったのですが、
このサブプライムローンは、当初から明らかに欠陥があるローンであると
指摘されていたにもかかわらず、高いリスクを無視してサブプライムローンを
組込んだ金融商品を販売した金融機関などは、金融危機を起こす目的で
このような金融商品を販売したとしか思えないほどの、
リスクを無視した行動でした。
そして、2008年の金融危機は、サブプライムローン問題からモノライン危機へ
と発展し、サブプライムローン問題やモノライン問題とは更に桁違いに大きな
問題であるCDSの問題へと発展したことで、金融市場全体に信用不安が広がって、
クレッジットクランチ(信用収縮)を引き起こしてしまい、銀行などの金融機関が
企業に対して貸し渋りをすることで、資金ショートを起し黒字倒産する
不動産業セクターの上場企業も続出し、銀行間の資金の流れまで滞ってしまい、
金融市場も暴落して、100年に一度と言われるほどの金融危機に発展しました。
■サブプライムローンに関する項目
・2011年現在でも、サブプライムローン問題は未だ解決しておらず、このサブプライムローン問題は
封印されている状態ともいえ、その理由として、ケイマン諸島等のタックスヘイブン地域に、「飛ばし」という形で
損失処理を先送りしてきたサブプライムローンが組み込まれた証券化商品を保有する会社等が存在し、
それらの証券化商品は、時価が付かない状態なので、それらの証券化商品を保有する当事者自らが適当な評価をして、
バランスシートに計上していてる状態であり、しかも、米国の不動産価格の下落は止まっていませんので、
2008年当時よりも、サブプライムローンの価値が更に低下していることだけは間違いないといえます。
・サブプライムローンが証券化されたことが問題ではなく、内容の悪いサブプライムローンを
証券化したことが問題です。
・サブプライムローンの仕組みは、信用力が低く低所得の人を狙ったローンというだけで、
サブプライムローンの仕組み自体は、複雑なものではありません。
・サブプライムローンを格付けした各付機関は、サブプライムローン問題を深刻にした原因の1つです。
・サブプライムローン金利は、返済当初は低く抑えられていたり、ある一定期間は金利だけの支払で
済んでいたので、見せかけの返済が少なかったこともあり、サブプライムローンを利用した
多くの人が被害にあいました。
・サブプライムローン対策としては、金融機関がローン審査する際の審査項目の1つである、
返済比率の項目を厳しくする法的規制も考えられます。
・サブプライムローンは、金融危機を人為的に起こす為に開発されたローンともいえるような、
ずさんなローンであり、金融機関は、貸し出したお金が回収できなくても、損失が発生しないように
サブプライムローンを証券化するような逃げ道まで周到に準備していました。
・サブプライムローンの影響は、実体経済に波及して金融機関の貸し出し余力を大幅に低下させ、
上場企業のような大企業も、次々に資金ショートに追い込まれました。
サブプライムローンに関連する用語
※国際スワップデリバティブ協会(ISDA)
※ソブリンリスク、ソブリン債、債券
※新円切換
※アメリカ新通貨発行と金本位制度
※GSR(ゴールドシルバーレシオ)
※格付け
※オフショア
※資産の流動化に関する法律、資産流動化法
※オフバランス処理、貸借対照表、オフバランス
※通貨スワップ取引、金利、デリバティブ取引(金融派生商品取引)
※クーポンスワップ取引
※為替予約
※スワップ取引、キャッシュフロー
※コモディティスワップ取引