No407・・・割引手形
割引手形とは、保有する受取手形を、その手形の満期日が到来する前に
銀行などに持ち込み、裏書譲渡し換金した手形のことで、割引手形を
譲渡した者は、銀行などに対し裏書人として手形遡及義務を負い、
割引手形は、裏書手形と同様に、偶発債務の1つです。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
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この割引手形の会計処理方法は、金融商品会計が導入されるまでは、
一般的に、注記による割引手形の金額を記載する処理がされていましたが、
金融商品会計の導入後は、割引いた手形の貸倒率を算定し保証債務を
時価評価して、貸借対照表の負債の部に保証債務として計上し、
借方の相手科目は、保証債務費用か手形売却損の費用の勘定科目として
計上することになります。
また、割引手形が不渡りとなると、手形割引をした銀行などから買戻し請求を
されることになりますが、銀行の買戻し請求に応じて支払った金額は、
不渡手形として会計処理されることになり、不渡手形は、貸借対照表上は、
その他流動資産に表示しますが、不渡手形が決算期末の翌日から
1年以上回収されないことが確実な場合は、固定資産の投資その他の資産に
表示することになります。
そして、割引手形につきものなのが、手形を割引く際の金融機関などに
支払う割引料ですが、この割引料は資金調達コストであり、割引料の金利は、
その時の金利の水準と割引を依頼した人の信用力や手形を振出した人の
信用力によって決定する為、割引料である金利は何時も一定ではなく、
基本的に変動することになります。
ところで、運転資金の調達方法としては、銀行や日本政策金融公庫などの金融機関からの普通借入れや
コミットメントライン契約や当座貸越契約などが考えられます。
しかし、最近は、新たな運転資金の調達方法として、売掛債権担保融資も選択肢の一つとして考えられ、
売掛債権担保融資は、動産・債権譲渡特例法が平成17年10月1日から施行されたおかげで、
取引先への通知をすることなく、第三者対抗要件が具備できるようになったので、
運転資金の調達手段として使いやすくなりました。
また、売掛債権担保融資とファクタリングの違いとしては、ファクタリングは売上債権の買取を
するという点なのですが、ファクタリングを利用する場合は、クライアントに売上債権を譲渡した
事実の通知をしなければなりませんが、売掛債権担保融資は、売上債権の買取ではないので、
クライアントへの通知の必要がありません。
尚、売掛債権担保融資を利用した場合は、ファクタリングと異なり、売上債権の回収は自社で行うことになりますので、
運転資金の調達をする際に、一般的な融資を利用するだけでなく、売掛債権担保融資という資金調達手段も、
運転資金の調達方法として財務戦略の一つに加えるべきでしょう。
割引手形に関連する用語
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー
※予算
※金融、金利
※約束手形、為替手形、自己受為替手形、自己宛為替手形
※流動資産担保融資保証制度
※売掛金、完成工事未収入金、商品、製品、仕掛品、半製品、原材料