No9・・・損益計算書(PL)
損益計算書(PL)は、企業のある事業期間における企業の儲けである
経営成績を表す財務諸表で、損益計算書は、企業の株主・債権者等に
経営状況を報告する為にあるものであり、損益計算書は、貸借対照表、
キャッシュフロー計算書とともに企業経営に必要な経営管理ツールなのです。
この損益計算書(PL)は、売上総利益の区分、営業損益の区分、経常損益の区分、
税引前損益の区分、当期純損益の区分の5つに分類されています。
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そして、財務分析をする際に損益計算書(PL)をみる時の留意点としては、
まず当期純損益が黒字なのか赤字であるのかを確認し、次に赤字であれば、
損益計算書のどの段階で赤字に陥っているのかを確認し原因を大雑把に
掴む事が重要です。
また、 損益計算書の数値は、単年度の指標だけで判断するのではなく、
時系列で見ることで指標の数値の良し悪しを判断する必要がある為、
損益計算書(PL)を分析する際は、まずは、自社の過去の事業年度データを
並べて時系列分析をする必要があります。
そして、損益計算書は、同業他社の財務指標と比較することで、自社の強みと弱みが
明らかになり、改善すべき項目を具体的に把握することが可能になります。
また、損益計算書(PL)は、企業全体の損益だけを把握する為だけではいけません。
管理会計の分野である、どのセグメントやどのクライアントが会社の利益に
貢献しているかも把握する必要があります。
予算実績管理をする際は、企業の様々なセグメント別損益計算書を作成したり、
限界利益や損益分岐点を管理する為の変動費・固定費の把握等の為に、様々な形式の損益計算書を
作成分析することが企業にとってはより重要なことです。
総合予算には、損益計算書の予算だけでなく、貸借対照表やキャッシュフロー計算書の予算も
含まれていますし、財務管理をするためにも、貸借対照表の予算は必須といえます。
尚、損益計算書は、貸借対照表の制約を受けますので、予算損益計算書(PL)作成だけを
しても、机上の空論となってしまいます。
よって、予算バランスシート(BS)も合わせて作成することが、予算作成の基本となります。
なお、自分が作成した資金繰り表や予算、金融機関に提出する財務計画の妥当性に自信が無い方は、
計画の添削評価サービスが付いている、弊社の経営管理講座か、予算作成講座をご利用下さいませ。
■損益計算書(PL)勘定科目一覧
勘定科目名称 | 勘定科目内容 |
売上高 | 営業活動である商品・製品の販売やサービスの 提供などにより獲得した金額を処理する。 |
完成工事高 | 建設会社が施主から請負った請負工事契約のうち 当期中に建設工事が完成した金額を処理する |
売上値引高(売上値引) | 値引による売上高の控除額を処理する。 |
売上戻り高 | 返品による売上高の控除額を処理する。 |
売上割戻し | 売上代金の一部を割戻した金額を処理する。 |
売上原価 | 売上高に対する商品の仕入原価や製品の 製造原価を処理する。 |
完成工事原価 | 建設会社が施主から請負った請負工事契約のうち、 当期中に建設工事が完成した工事原価を処理する。 |
当期製品製造原価 | 製造業において工場で製品の製造に要した製造原価を 処理する。 |
期首棚卸高 | 前期末の商品、製品、半製品、仕掛品、 原材料を処理する。 |
仕入高 | 商品や材料の仕入高や仕入の際の運賃や 購入諸費用を処理する。 |
仕入値引高 | 当期仕入高の値引き額を処理する。 |
仕入戻し高 | 当期仕入高の返品額を処理する。 |
仕入割戻し | 当期仕入高の割戻し額を処理する。 |
材料費 | 製品の製造に要した材料を消費した時に処理する。 |
労務費 | 製品の製造に要した工員の人件費を処理する。 |
経費 | 製品の製造に要した外注加工費や経費を 処理する。 |
製造間接費 | 製品の製造のために共通に発生した、材料費、 労務費、経費を処理する。 |
当期総製造費用 | 製造業において工場で当期の製造活動において 発生した費用を処理する。 |
期末棚卸高 | 期末の商品、製品、半製品、仕掛品、原材料を 処理する。 |
売上総利益(粗利益) | 売上高から売上原価を差し引き算出される利益を 処理する。 |
売上総損失 | 売上高から売上原価を差し引き算出される損失を 処理する。 |
完成工事総利益 | 建設会社が施主から請負った請負工事契約のうち 当期中に建設工事が完成した完成工事高から 完成工事原価を差し引いて算出する金額を処理する。 |
販売費及び一般管理費 | 営業活動や一般管理業務において発生した費用を 処理する。 |
営業利益 | 売上総利益から販売費及び一般管理費を差引き 算出される利益を処理する。 |
営業損失 | 売上総利益から販売費及び一般管理費を差引き 算出される損失を処理する。 |
営業外収益 | 本業以外の活動により経常的に発生する収益を 処理する。 |
営業外費用 | 本業以外の活動により経常的に発生する費用を 処理する。 |
経常利益 | 営業利益に、営業外収益と営業外費用を加減して 算出した利益を処理する。 |
経常損失 | 営業利益に、営業外収益と営業外費用を加減して 算出した損失を処理する。 |
特別利益 | 通常発生することがない利益を処理する。 |
特別損失 | 通常発生することがない損失を処理する。 |
税引前当期純利益 | 経常利益に、特別利益と特別損失を加減して 算出した利益を処理する。 |
税引前当期純損失 | 経常利益に、特別利益と特別損失を加減して 算出した損失を処理する。 |
法人税、住民税及び事業税 | 当期事業年度の所得に対して課税される法人税・ 法人住民税、法人事業税を処理する。 |
法人税等調整額 | 税効果会計の適用により計上される、 当期事業年度の法人税、法人住民税、 法人事業税の調整額を処理する。 |
少数株主利益 | 親会社の持分に属さない連結子会社の 当期純利益を処理する。 |
少数株主損失 | 親会社の持分に属さない連結子会社の 当期純損失を処理する。 |
当期純利益 | 税引前当期純利益に、法人税・住民税及び 事業税と法人税等調整額などを加減して 算出した利益を処理する。 |
当期純損失 | 税引前当期純利益に、法人税・住民税及び 事業税と法人税等調整額などを加減して 算出した損失を処理する。 |
過年度税効果調整額 | 税効果会計適用初年度に、過年度発生の 一時差異である法人税・住民税及び事業税の 調整額を処理する。 |