ベンチャー企業や中小企業の業績が伸び悩む原因の1つに、競合企業の
情報収集を怠っていることを挙げることができます。
常識的に考えて、マーケットでのライバルである競合企業の情報収集をせずに、
事業を営むことは、眼をつぶって車を運転するようなものなのです。
もし、これまでに競合企業の情報収集を一切せずに、業績を伸ばすことが
できているベンチャー企業や中小企業は、幸運を神様に感謝するべきでしょう。
競合企業の情報収集は、大企業だけに必要な業務ではなく、ネットショップ
を運営する企業や一店舗だけを運営する飲食店などの、あらゆる業種の企業
に欠かせないものなのです。
競合他社が、自社と競合する商品やサービスをどんな価格で販売している
のかが、自社の売上を大きく左右する要因になりますし、競合企業の動向
によって、自社の経営戦略を変更することもあるでしょう。
それくらい競合企業は、現在の自社の業績に大きな影響を及ぼしたり、
将来の自社の業績に大きな影響を及ぼす可能性がある重要な競争要因なのです。
ちなみに、競争要因というと、マイケルポーターの5フォース分析を
思い出す方もいるでしょうが、その分析手法では、5つの競争要因から
外部環境を分析しようとしていますが、当然、その5つの競争要因
には、競合企業は含まれています。
このように競合企業の情報収集は、企業にとっては非常に重要な業務
にもかかわらず、多くのベンチャー企業や中小企業では、何故、競合企業
の情報収集に手をつけないのでしょうか?
一般的な、競合企業の情報収集をしていない代表的な理由を挙げてみると、
競合企業の分析方法が難しいという意見や、競合企業の調べ方が分からない
という意見が圧倒的に多く、論外な意見としては、競合企業を調べるのが
面倒くさいというものもあります。
しかし、どのような理由があったとしても、競合企業の情報収集をせずに、
経営をすることはありえませんし、競合企業の情報収集をせずに、営業や
販売が上手くいくことなどありえないのです。
では、競合企業の情報収集において、何をやるべきかが問われてくるのですが、
競合企業の情報収集をしようとすると、業界の現状についての情報が気になって
くるので、各種業界に関する統計データなどを調べ、マーケットの現状が
どうなっているのかを調査したり、競合企業の財務情報を調べたりして、
あらゆることを調査しようと手を広げてしまいます。
このような調査をやっていると、何が重要で、何を調査分析するべきかが
見えなくなってしまうことが往々にしてあるのが常なのです。
そこで、企業が調査分析する際には、調査分析の方法でもある、
各種環境分析のフレームワークやマーケティングのフレームワークなる
ものを活用することで、調査分析するべき項目を明確にするわけです。
環境分析のフレームワークやマーケティングのフレームワークは、
様々な種類が存在しますが、競合企業に関して調べる項目を大別すると、
競合企業のビジネスの結果である売上と、競合企業が、どのような商品や
サービスを提供しているのかを調べることにつきます。
競合企業が提供する商品やサービスを調べれば、その競合企業の
マーケティング戦略がある程度把握できますし、競合企業の商品やサービス
に対して、自社の商品やサービスをどのように変えるべきかも明確になります。
要するに、競合企業を調べる方法としては、シンプルに、直接競争に影響
する項目のみを、まずは調べみることが重要なので、直接競争に影響しない
項目については、余力があれば調査するくらいのスタンスで充分なのです。
但し、競合企業の情報収集をする前に、必ずやっておくべきことがあります。
その調査分析を事前にやっておかなければ、競合企業の情報収集が有益
なものになることはありませんし、マーケットでの成功要因を掴むことも
できないのです。
競合企業の情報収集をすべき項目や、競合企業を調べる方法自体は
難しいことではありませんが、ミクロ環境の分析手順を知っておかなければ、
競合企業だけを調べても、マーケットでの成功要因を
掴むことができないことを認識するべきでしょう。
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