営業という結果だけで評価される仕事は、営業をやった人にしか分からない
厳しいものがあります。
今ではトップ営業マンの地位を掴み取っている人でも、一度や二度の挫折は
必ずあるもので、その挫折の際に、営業の厳しさを体感し、その困難を乗り
越えて、トップ営業マンという地位に登りつめているのです。
ビジネスは、人間を相手にしていますから、全てが机上で考えた通りに行く
ことはありませんので、ビジネスの現場で、幾ら理論や理屈を振りかざしても、
上手くいかないことは沢山あるのです。
ビジネスに携わる者が理解しておかなければならないことは、人間は、感情の
生き物だということです。
人間は、いくら理屈では理解していても、感情が邪魔をするケースがあります
ので、ビジネスの現場において、理論の面からだけ考えたとしても、人間の感情
の部分を考慮しなければ、成功という果実を獲得することはできないのです。
この辺の、人間の機微をよく理解している人こそ、トップ営業マンと呼ばれ
ている人達です。
彼ら、トップ営業マンは、人間の心理をよく理解していますので、商談の現場
においても、押すべき場面と引くべき場面を、顧客の態度や顧客の言動から
敏感に掴み取って、心得ています。
また、トップ営業マンは、与えられたノルマを、いとも簡単に達成してしまう
実行力も持っています。
世の中には、計画を立案できる人は、掃いて捨てるほど沢山存在していますが、
計画を確実に達成してしまう実行力を持っている人は、それほど多くはない
のです。
ところで、計画と実行という話になると、必ず登場してくるのが、
マーケティングと営業の関係についての話です。
マーケティングと営業の関係について語られている内容の大半が、
営業マンが、売上という成果を残せるのは、マーケティング戦略があってこそ
だという、マーケティング上位論についてです。
確かに、マーケティングという理論は、営業マンの行動指針になるものでは
ありますが、行動指針という戦略があれば、必ず結果を残せるとは限らない
のです。
なぜなら、ビジネスの現場では、計画道通りに行くことなど、何1つありません
ので、次々に発生してくる困難や障害を乗り越える実行力がなければ、成果と
いう果実を掴むことはできません。
また、どんなに自社のマーケティング戦略が優れていても、自社と同等か
自社を上回るようなマーケティング戦略の競合企業が存在すれば、営業力が
勝負を決することになります。
マーケティング戦略に拘り、競争相手という存在を忘れて、自分のことだけを
考えていても、上手くいくことはないのです。
このように、マーケティング戦略が優れていれば、商品が売れるという短絡的
な思考では、売れるものも売れません。
これまでは、マーケティングに力を入れている企業が少なかったので、
マーケティング戦略で企業の優劣に差がつきました。
しかし、現在では、マーケティングに力を入れはじめている企業も増えて
いますので、今までのように、企業にマーケティング機能を取り入れさえ
すれば、上手くいくとは限らないのです。
そのような、企業においてマーケティングが常識となった時代に求められる人
が、営業マンでも、マーケッターでもない、マーケティング営業マンです。
企業においては、実行力を持ち結果をだせる人間こそが、
重要なキーパーソンです。
企業で、そのような条件に最も合っている人が、トップ営業マンや
優秀な営業マンなのです。
彼らは、現場の最前線で、現在の顧客の状況や、現在の競合企業の状況
について、肌感覚の情報に常に触れていますので、会社の中で、マーケットの
状況を的確に掴める立場にあるのです。
マーケティング戦略を立案する者は、マーケットの状況を的確に掴める立場
の人が好ましいので、トップ営業マンや優秀な営業マンこそが、マーケティング
戦略を立案する者として相応しい人といえます。
このようなことを考慮すると、いままでのように、営業マンは、営業をする人、
マーケッターは、マーケティングをする人と区別するのではなく、営業マンが、
営業とマーケティングをこなす、マーケティング営業マンになることが理想
といえます。
マーケティング戦略も立案でき、営業もできる人が増えてくれば、自分で戦略
を立案し、その戦略に沿って実行して、上手くいかない時は、そのつど検証して
戦略を機動的に修正できますので、より生産性が高まるのです。
このように、これからの時代に求められる人は、営業マンでも、マーケッター
でもない、マーケティング営業マンなので、営業マンこそが、マーケティング
を学ぶべきといえるでしょう。
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