現代は、モノが売れない時代なので、マーケティングの重要性が
叫ばれています。
しかし、企業においてマーケティングが重要であると認識されている
にもかかわらず、意外に、企業がマーケットで成功する為の成功要因を
理解している人は少ないようです。
その具体例として、銀行業界でも異色のセブン銀行の誕生の逸話を交えて
解説したいと思います。
最初に、セブン銀行のことを知らない方の為に、
セブン銀行について説明します。
セブン銀行は、イトーヨーカ堂とセブン-イレブンが中心となり2001年に設立
した銀行で、セブン&アイ・ホールディングスの金融部門の中核会社です。
セブン銀行は非常にユニークな銀行で、セブン銀行の大半の収益源は、
利用者がセブン銀行のATM(現金自動預け払い機)を利用することにより、
提携先の金融機関や利用者から得ている利用手数料なので、
一般的な銀行の様に、貸付で収益を得ているわけではありません。
セブン銀行は、設立から13年を経過していますが、売上高約950億円、
経常利益約318億円(※平成25年3月期の実績値)を誇る高収益企業であり、
今なお成長を続ける成長企業でもあります。
しかし、このように高収益企業に成長したセブン銀行でさえも、
設立時に成功を確信していた人は、セブン&アイ・ホールディングスの経営者
である鈴木敏文会長だけだったようです。
鈴木会長は、セブン銀行が設立された2001年当時でも、名経営者として世間
に知られていましたが、その鈴木会長が、セブン銀行の設立を相談した際は、
相談をしたほとんどの人から反対されたそうです。
しかし、鈴木会長は、顧客のニーズとして、何時でも何処でもお金を下ろし
たいというニーズがあることを掴んでいましたし、そのような顧客のニーズ
に応えている銀行がないことも把握していたのです。
だからこそ、鈴木会長は、セブン銀行は必ず成功するという確信を持っていた
のでしょうが、鈴木会長が、セブン銀行の設立を相談したほとんどの人は、
そのようなセブン銀行のビジネスモデルを聞いても、上手くいかないと
思ったわけです。
このセブン銀行の誕生の逸話でも明らかなように、マーケットでの成功要因
を理解している人は意外に少ないのです。
要するに、世の中の大半の人は、ビジネスを難しく考えすぎているから、
マーケットで成功することができないともいえます。
それに対して、鈴木会長のような、ビジネスで成功している経営者は、
顧客のニーズを掴み、その顧客のニーズを満たすサービスを提供している
企業がいなければ、マーケットで成功する可能性が高いというシンプルな原則
にのっとってビジネスを展開し、マーケットで成功しているのです。
このセブン銀行の事例を見ても、マーケティングの重要性が叫ばれている
現代においても、マーケットでの成功要因を理解している人はいまだに
少ないといえるでしょう。
ゆえに、物事は、難しく考えるのではなく、シンプルに考えることが重要
であるといえます。
なお、マーケットでの成功要因を掴む方法についての調査分析については、
下記の頁を御覧ください。
マーケットでの成功要因を掴む為の調査分析
①内外環境分析どこから手をつけるべきか
②外部環境分析は何を調査分析するべきか
③ミクロ環境分析は何を調査分析するべきか
④外部環境分析と内部環境分析のどちらが重要ですか
マーケットの成功要因を掴むスキルを身につけたい方には、弊社が御提供
している経営管理マンツーマンセミナーか経営戦略マンツーマンセミナー
がお勧めでございます。