差別化した製品やサービスを開発したはずなのに、いつの間にか、自社の製品
やサービスを真似した製品やサービスが市場に溢れている経験をした経営者の方
は非常に多いと思います。
革新的な製品やサービスが、マーケットで成功すると、必ず同じような製品や
サービスを市場へ投入してくる企業は後を絶ちません。
これが、模倣戦略といわれるもので、模倣戦略とは、マーケットにおいて成功
した競合他社の製品やサービスを模倣して追随する戦略のことで、模倣戦略は、
競合他社のまねをする戦略といえます。
この模倣戦略は、既に競合他社が成功したことを確認してから、
競合他社の製品やサービスの優れた部分だけを製品化したりすることで、
後発の追随する企業も一定の成果を期待できる戦略です。
ちなみに、マイクロソフト社のOS、オフィスソフト、Webブラウザの開発は、
典型的な模倣戦略の代表例であり、マイクロソフト社は、模倣戦略により、
OS、オフィスソフト、Webブラウザ市場において、業界標準である
ディファクトスタンダードを確立しています。
経営者やマーケティング責任者は、どんなに革新的な製品やサービスを開発
したとしても、直ぐに競合他社に真似される可能性があり、真似をした2番手
の企業が市場を独占してしまうケースや、マーケットでトップシェアを取って
しまうケースは非常に多いということを認識しておく必要があります。
そうすると、せっかく苦労して差別化した製品やサービスを開発したとしても、
それらの製品やサービスが成功すればするほど、模倣戦略の対象となってしまう
ので、現在は、どんなに、画期的で革新的な製品やサービスを開発したと
しても、模倣戦略を得意とする企業の餌食になるだけなのです。
この点が、経営者やマーケティング責任者を悩ませるところであり、
差別化戦略の限界を考えてしまうところでもありますので、このような背景
から、企業は、真似をされることを前提にして、新しい製品やサービスを
次々に市場に投入する必要があると考えるのでしょう。
このような状況を目の当たりにしている経営者やマーケティング責任者
が考えるべきことは、真似されにくい差別化戦略を考えることです。
真似されにくい差別化戦略を考えることができれば、長期的・安定的に
マーケットから利益を享受することもできますので、経営者やマーケティング
責任者は、単純な差別化戦略を採用するだけではなく、真似されにくい
差別化戦略を考えねばならないのです。
真似されにくい差別化戦略が好ましいことは誰しもが理解できることなので、
製品やサービスを競合他社の目に触れないようにしようと考える方も
いることでしょう。
しかし、外部の人間が自社の製品やサービスを見ることができなければ、
顧客も、自社の製品やサービスを知ることができなくなり、製品やサービス
の売れ行きに大きな影響がでますので、製品やサービスを競合他社の目に
触れないようにすることは不可能なのです。
それでは、どうするべきなのかを考える際に重要になることが、
差別化戦略の切り口です。
差別化するための切り口としては、商品やサービスの提供方法や
商品やサービスの品質技術などがありますが、競合他社が調査すれば
直ぐに分かるようなことで差別化をしても真似されるだけなので、
真似されにくい差別化戦略を考えるとすれば、商品やサービスの提供方法
や品質技術以外で差別化するしかないのです。
その真似されにくい差別化戦略を採用している企業に共通していることは、
会社の商品やサービスは抜群に優れているわけでもないのに、何故か顧客
の支持を得て売れているということなのです。
ゆえに、経営者やマーケティング責任者は、傍から見ても、何故あの商品
やサービスが売れているのか分からないという風に思われるような、
真似されにくい差別化戦略を考えるべきなのです。
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