内部環境分析は何を調査分析するべきか


内部環境分析を含めた、調査分析の重要性を説いた言葉としては、

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という孫子の兵法の言葉

が有名です。


この言葉を企業経営に置き換えると、競合企業の実力を見極め、

自社の実力を客観的に評価して、勝算が高いと判断した時だけマーケット

に参入すれば、マーケットで成功できる可能性が高まるということです。


この「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉が持つ重みは、

企業経営に携わる方であれば、誰しもが、その重要性を認識できる

はずでしょう。


このような企業経営に携わる方の認識もあり、企業が事業活動をする際にも、

当然、環境分析を重要視しているわけです。


この辺で記事の本題に入りたいと思いますが、自社の分析である

内部環境分析は何を調査分析して、それらの調査分析したことが、

どのように戦略に反映されるのでしょうか?


一般的に、この環境分析にて調査分析する際の切り口としては、

経営の視点、財務の視点、マーケティングの視点、組織の視点、

人材の視点、情報の視点などがあり、これらの各視点について、

自社の強みと自社の弱みを明らかにするわけです。


教科書的には、外部環境分析で外部の機会と脅威を把握し、

内部環境分析で自社の強みと自社の弱みを把握して、調査分析したこと

戦略に反映することになります。


これらの調査分析したことを戦略に反映する際には、

以下のSWOT分析の基本的なフレームワークで考えます。

①自社の強みを活かした機会の活用
②自社の弱み改善し機会を活用
③自社の強みを活かし脅威へ対応
④自社の弱みと脅威を考慮し縮小撤退


上記のSWOT分析4つの方向性で戦略を検討すると、

考慮すべき戦略の落としがないわけです。


ここで注意しなければならないことは、この環境分析で、

自社の強みや自社の弱みが明確にならなければ、SWOT分析による

4つの方向性の戦略を検討することができないということです。


しかし、現実には、自分の会社の強みや弱みが分からないという

企業は意外に多いのです。


確かに、自社の強みや自社の弱みが分からなければ、

強みを活かした戦略や自社の弱み補完する戦略を考える

ことすらできないので、自社の強みや自社の弱みが分からない

ということは、致命的なことのように思えます。


ここで皆さんにお尋ねしますが、この環境分析では、自社の強みと自社の弱み

を明確にすることが目的ではありますが、自社のことだけを見て、

何が強くて、何が弱いのか判断できるでしょうか?


おそらく、自社のことだけを見ても、どこが強くて、どこが弱いのか

分からないはずです。


その理由は、自社のことだけを見て、何が強くて、何が弱いのか

判断しようとするからです。


強いとか、弱いとかは、比べる対象と比較して、はじめて、自分が強いのか、

自分が弱いのかが明確になるので、自分だけを見て、何が強くて、

何が弱いのか分かるはずがないのです。


例えば、自分達が自社の財務データだけを見て、自社の財務は弱いと

思ったとしても、他社の財務データと比較して遥かに良ければ、

財務に関しては、強いということになるわけです。


このように、自社の強みと自社の弱みを顕在化させるためには、

比較対象のデータがなければ、自社の何が強くて、自社の何が弱いのか

判断しようがないのです。


そうすると、おのずと競合企業の情報が必要になってくるわけですが、

ここで皆さんは、ある疑問が湧いてくるはずです。


その疑問とは、自社の何が強くて何が弱いのかを判断するためは、

競合企業の情報が必要になることは理解できるが、競合企業の、経営情報、

財務情報、マーケティング情報、組織情報、人材情報など、

必要となる情報を全て取得することができるのかということです。


おそらく、競合企業の情報で確実に取得できそうな情報としては、

財務データと商品・サービスデータ位のものではないでしょうか?


そうすると、内部環境分析にて分析する項目が沢山あったとしても、

ほとんどの項目は分析不能ということになってしまいます。


このように考えると、内部環境分析で調査分析できることには、

限界があるように思えますし、そもそも、この環境分析で必要になる

競合企業の情報が、ほとんど取得できなければ、この環境分析をする

こと自体に意味がないようにも思えてくるはずです。


ここに環境分析のポイントが隠されています。


一見、外部環境分析も内部環境分析も、どちらも同じ位重要のように

感じられるのですが、実はそうではないのです。


誤解を恐れずに説明すると、外部環境分析が全てであり、

外部環境分析がしっかり調査分析することさえできていれば、

いくらでも戦略を立てることは可能なのです。


要するに、外部環境を調査すれば、マーケットで戦うに当たって、

何が有効で、何が有効でないのかが分かり、そして何が必要で、

何が必要でないのかが明確になるので、自社は、それらに対応できる

ようにすればよいだけなのです。


このように、内部環境分析にいたずらに時間をかけるのではなく、

外部環境分析をしたうえで、自社の現在の経営資源に有効なものと、

有効でないものを確認し、必要な経営資源を準備することに

時間を割くべきでしょう。


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