皆さんは、イワシと呼ばれる魚を食べた経験はあると思いますが、
イワシの行動の特徴をご存知でしょうか?
イワシの行動の特徴としては、大勢が群れをなし同じ方向を向いて行動
することにありますが、この行動の特徴は、誰かに似ていると思いませんか?
そうです、イワシの行動の特徴は、私達日本人の行動の特徴によく似ています。
私達日本人は、直ぐに群れますし、人と同じ行動を取る横並び意識が強い
ところが国民性といえます。
このような行動の特徴があるので、日本人はイワシ民族と呼ばれること
があります。
この日本人の行動の特徴は、人間関係を円滑にするために、周りを気にして、
八方美人になり自己主張をしないという日本人に固有の文化が影響している
のでしょう。
日本人の行動の特徴を違う表現で説明すると、自己中心の個人主義ではなく
他人中心の他人中心主義ともいえます。
一般的に考えられている自己中心とは、相手や周りを無視して、
何時も言いたい放題、何時もやりたい放題の言動をすることです。
ここで注意したいのは、自己中心的に振る舞うには、条件があることを認識
するべきでしょう。
間違っても、自己中心に振る舞うということは、周りを無視して、
何時も言いたい放題、何時もやりたい放題をすることではないということです。
自己中心に振る舞うためには、相手や周りのことを気にしつつ、自分の意見を
主張したり、自分が信じる行動をする必要がありますので、自己中心にもルール
は存在するのです。
ここで、会社の中での各種会議に目を移そうと思いますが、皆さんは、
会議に出席した際に、自分の意見が言えていますか?
この質問をすると、圧倒的に、会議では、自分の意見が言えていないと
答える方が多い傾向にあります。
日本人的感覚からすると、会議などで、自分の意見を主張したりすることは、
周囲の人達から自己主張の強い人間と思われかねないので、あえて目立たない
ように、発言を控える人も多いかもしれませんが、本当にそれでよいの
しょうか?
例えば、会社の会議で、「利益を増やすためには、顧客の利益を多少犠牲
にしてでも、商品の質を落とすべきだ」との意見がでたとします。
この様な意見が出たような時に、皆さんは、自分の意見を
主張するでしょうか?
おそらく、この程度の内容なら、自分の立場が悪くなるかもしれない
リスクを承知で、あえて自分の意見を主張する人は多くはないかもしれません。
では、会社の会議で、「利益を増やすためには、法律を侵してでも、
強引に顧客に商品を売りつけるしかない」との意見がでたとします。
この様な意見が出たような時に、皆さんなら、自分の意見を主張する
でしょうか?
もし、このような極端な意見に対しても、自分の意見を主張しないという人は、
自分が意見を主張せず黙っている行為が、どのような行為であるのか理解
できているでしょうか?
それは、その会議で出た意見を、認めたということを意味しています。
その場で反論もせず、黙っていることは認めたという行為とみなされるのです。
一般的な認知能力がある人が、相手の主張に対して何も主張しないということは、
追認行為と同じことだといえますし、民法にも、同様の解釈があるかと思います。
理解すべきことは、自分の意見も主張せず、他人と妥協することは協調とは
いえない行為なのです。
その理由は、冒頭でも指摘していますが、自分の意見を主張したり、
自分が信じる行動をすることは、相手や周りのことを気にしていること
でもありますので、自分の意見を主張することこそが、協調といえるからです。
特に、会社の社風に、このような考え方がなければ、会社に所属する社員の
能力を最大限に引き出すことは不可能でしょうし、会社の社風に、このような
考え方がある会社だけが、優れた会社になる資質を備えているといえるでしょう。
このように、自分の意見を主張することは、一般的に考えられている自己中心
とは全く異なりますので、どのような場面においても、相手や周りのことを
気にかけつつ、自分の意見を主張するべきでしょう。
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