株式公開準備は公開準備責任者次第


株式公開準備をする途中では、企業内の様々な業務体制を見直すことが

次々と現れます。


例えば、月次決算を早期に完了させることもその内の1つです。


その月次決算ですが、どうしても月次決算を早期に完了させることが

なかなかできなかった、ある公開準備中の企業がありました。


その早期に完了することが出来なかった理由とは、売上と原価の正確な

数字の把握が1ヵ月以上の時間を要することだったのです。


その企業の株式公開準備室長も含めてその企業の全社員が、月次決算を早期に

完了させることは、どんな工夫をしても無理だという雰囲気がその企業の社内に

漂っていました。


ちなみに、その企業の当時の株式公開準備室責任者は、監査法人出身の

公認会計士で且つ、上場企業の管理本部長も経験している人でした。


その責任者がいる間は、その企業では、月次決算が早期に完了することは

一度もありませんでした。


そして、その企業でも社長と株式公開準備室責任者の衝突があり、その責任者が

退職し、次の株式公開準備室長が着任することになりました。


次の株式公開準備室責任者が着任すると、不思議なことにその企業で月次決算が

月末から5営業日には完了していたのです。


その株式公開準備室長が改善したことは、月次決算を締める時点で社内にある

取引先からの証憑で一旦仮に売上や売上原価の計上をして、大勢で影響が無い

程度の精度で月次決算を締めておいて、翌月以降に正確な数値を把握した時点で、

月次決算を訂正するシンプルな方法で対応し、監査法人からも、四半期ベースで

正規の会計処理にのっとった数値に訂正できていれば、監査上も問題ないと

お墨付きをもらった方法だったのです。


この対応内容自体は大した事ではないのですが、頭でっかちの固定観念に

囚われすぎている人が株式公開準備責任者であったりすると、企業を誤った

方向に導いてしまう可能性もあります。


以上の事からも、公開準備には、がちがちの頭でっかちの専門家が責任者に

座っていると、どんな簡単な問題も、大変な問題になってしまう可能性が

あるのです。


ゆえに、株式開準備室責任者には、必ずしも専門家は必要なく、

実際のビジネスに精通している人間の方が、余程適任者であるケースが

多いのです。


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