会社の数字は嘘をつきません。
例えば、会社の利益が減るということは、収益が減少しているか、
費用が増えているからで、間違っても、収益が増え費用が減少して
利益が減るということはないのです。
また、会社の純資産が増えるということは、株主が会社の新たな増資に応じたか、
会社が利益を稼ぎだしたか、あるいは、それらの合算であるわけです。
このように、会社の数字は、誰が見ても同じ客観的な情報を私たちに
示してくれます。
ところで、皆さんは、日本に会社が何社あるかご存知ですか?
財務省が調査公表している平成22年度の法人企業統計調査によると全産業
(金融業を除く)の会社数は、約276万社です。
この日本の企業約276万社を製造業と非製造業に大別すると約39万社(14%)が
製造業で、約237万社(86%)が非製造業となっています。
次に、日本の企業約276万社を資本金1億円を基準に大別すると、
資本金1億円以下の企業が98.8%で、資本金1億円以上の企業が1.2%になって
おり、資本金を基準とした場合の大企業といえる会社の数はごくわずかで
あることが分かります。
次は、日本の企業約276万社が、平成22年度に、どれだけの売上を稼ぎだした
のかを確認すると、全産業(金融業を除く)の合計で1385兆円の売上高があり、
この1385兆円の売上高を製造業と非製造業に大別すると、製造業が403兆円
(29%)、非製造業が982兆円(71%)となっています。
ちなみに、企業数で1.2%にすぎない資本金1億円以上の企業が、
売上全体の56%である770兆円を稼ぎだしています。
日本の企業約276万社の売上高を確認した後は、営業利益についても
確認しておくと、全産業(金融業を除く)の合計で39兆円の営業利益があり、
この39兆円の売上高を製造業と非製造業に大別すると、製造業が13兆円(33%)
、非製造業が26兆円(67%)となっており、企業数で約39万社(14%)にすぎない
製造業が全体の33%の営業利益を稼ぎ出していることが分かります。
ちなみに、企業数で1.2%にすぎない資本金1億円以上の企業が、
営業利益全体の76%である29.7兆円の営業利益を稼ぎだしています。
尚、日本の企業約276万社の過去10年間の業績のピークは2008年(平成19年度)
で、その時の全産業(金融業を除く)の売上高が1580兆円、営業利益が49兆円
となっており、日本の企業約276万社は、2008年をピークにして業績が
落ち込んでいます。
このように、日本の企業約276万社の業績の概要を確認するだけでも、
何故、日経平均株価が2007年に直近のピークとなっているかも納得できますし、
最近の、景気の停滞も当然ともいえるでしょうから、GDP(国内総生産)など
の経済指標よりも、日本経済の状況を客観的に表現している日本の企業
約276万社の業績を確認する方が、より日本経済の状況を客観的に把握できる
のではないでしょうか。
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