信頼できる人と信頼できない人


企業は、新入社員や若手社員を早期に戦力化するために、会社はOJT研修

や外部から専門の講師を招くなどして様々なことを試みていますが、

なかなか期待通りの社員になることはないようです。


特に、期待通りの社員にならない代表格は営業社員です。


会社としても、早く新入社員や若手社員が戦力化することを期待している

のですが、なかなか期待通りには、育ってくれないのです。


新入社員や若手社員が期待通りに育ってくれない原因には幾つか考えられる

ことがありますが、そのキーワードは、「信頼」です。


新入社員や若手社員が会社の戦力になり、仕事ができるようになるためには、

信頼という仕事の基礎体力をつける必要があります。


この信頼という仕事の基礎体力をつけなければ、信頼される人にはなれませんし、

何時まで経っても、信頼されない人であり続けるのなら、会社で働くことも

難しくなるでしょう。


では、信頼できる人と信頼できない人とは、一体どのような人なのでしょうか?


信頼できる人と信頼できない人を比較する為に、会社の上司の視点と顧客の視点

で説明したいと思います。


皆さんは、ある会社で、A課長が、B社員に仕事を任せた場面を想像して下さい。


A課長「B君、競合企業のC企業について、君のできる範囲内で、できるだけ

早く調査分析してくれ」

B社員「A課長、了解しました」


そして、A課長が、B社員に仕事の指示をだして3日が経過しましたが、

B社員は、指示された仕事が終わるどころか、仕事の進捗も悪く途方にくれ

ていましたが、A課長にアドバイスを求めることはありませんでした。


一方、A課長は、B社員に仕事の指示をだし3日も経過したにもかかわらず、

指示をした仕事が終わるどころか、B社員からは、途中報告もなく、

苛々しはじめていました。


そして、A課長が、B社員に仕事の指示をだして一週間が経過しましたが、

B社員は、指示された仕事も終わってなく、A課長にアドバイスを求めること

や途中報告をすることすらありませんでした。


一方、A課長は、B社員に仕事の指示をだし一週間も経過したにもかかわらず、

指示をした仕事が終わるどころか、B社員からは、途中報告もないので、

ついにB社員を呼び付けたのです。


A課長「B君、この間指示した仕事はどうなったんだ」

B社員「A課長、それが、まだ終わってなくて、もう少し時間を頂けますか」

A課長「B君、私は、君のできる範囲内で、できるだけ早く調査してくれと指示

したはずだが、何故そんなに時間がかかっているんだ」

B社員「A課長、それが、競合企業のC企業について情報収集してみたのですが

、C企業の集めた情報をどのような視点で分析すべきかで悩み時間がかかって

いました」

A課長「B君、なぜ、私に、どうやって分析したらいいのか聞かないんだ」

B社員「A課長が、忙しそうだったので、なかなか聞きにくかったからです」

A課長「B君、毎日の業務日誌の連絡欄に、どうやって分析したらいいのか

教えて下さいと書くこともできたはずだぞ」

A課長「それに、一週間も放置していたのが更に問題だ。なぜ、私に、途中報告

もしないんだ。報告・連絡・相談が悪過ぎだ」

B社員「確かに、A課長の、おっしゃるとおりです。以後気をつけます」


続いて、皆さんは、あるD顧客が、ある会社のE営業マンを通じて、マイホーム

を購入しようと検討している場面を想像して下さい。


E営業マン「Dさん、先ほど御覧頂いたマンションはいかがでしたか?」

D顧客「Eさん、凄く気にいったんだけど、値段が3500万円から200万円位

下がらないかな?」

E営業マン「Dさん、先ほど御覧頂いたマンションは、人気エリアで比較的

新しいので、売主は価格交渉には応じないとは思いますが、売主に、価格交渉

をして見ます」

D顧客「Eさん、お願いします。ただし、凄く気にいってるので、値段が下がら

なくても買いたいので、宜しくお願いします」

E営業マン「Dさん、承知いたしました。進展がありましたら、ご連絡いた

します」


このような会話があってから、3日が経過しましたが、D顧客は、なかなか

E営業マンから連絡がこないので、交渉が上手くいっていないのか、又は、

他の人に先に買われてしまったのではないかと不安になりはじめていました。


一方、E営業マンの方でも、D顧客と会ってから3日が経過していましたが、

マンションの売り主と連絡がつかないので、D顧客には、連絡をしなかった

のです。


そして、E営業マンがD顧客と会ってから一週間が経過しましたが、相変わらず

マンションの売り主と連絡がつかないので、D顧客には、連絡をしませんでした。


一方、D顧客は、E営業マンと会ってから一週間も経過したにもかかわらず、

E営業マンから何も連絡がないので、ついに痺れを切らしたD顧客は、ついに

E営業マンに電話をかけたのです。


D顧客「Eさん、この間のマンションの件ですが、交渉はできましたか」


E営業マン「Dさん、それが、マンションの売り主と連絡がつかないので、

まだ交渉ができていません」


このセリフを聞いて、D顧客は愕然としたのです。


そして、D顧客は、E営業マンとの電話が終わった後、「なぜ、あいつは、

マンションの売り主と連絡できていないと途中報告をしてこないんだ」、

「こっちは、ずっと気になっているのに、少しは、気になっている私の気持ち

を考えろ」と思い非常に頭にきたので、E営業マンに家の購入を

頼むのを止めようと、心に決めたのです。


信頼できる人と信頼できない人を比較する為に、会社の上司の視点と顧客の視点

という場面をご紹介しましたが、皆さんは、どのように感じたでしょうか?


やはり、会社内部の人間に対してであろうと、会社外部の人間に対してで

あろうと、相手の立場に立った報告・連絡・相談が必要なのです。


どんな、些細なことでも、相手が気にしているようなことに関しては、

適時、報告や連絡をすることで、相手も、自分のことを気にしている

思ってくれます。


そのような小さな積み重ねが信頼を生み出しますし、そのような相手の事を

考えて行動できるかどうかが、信頼できる人と信頼できない人への分岐点

といえます。


このように、信頼できる人と信頼できない人の違いは、相手への小さな配慮

の積み重ねがあるかどうかも、重要な要素といえますので、新入社員や若手社員

が会社の戦力になり、仕事ができるようになるためには、信頼という、

仕事の基礎体力をつける必要があるのです。


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