優秀な人材を採用したいということは、企業にとって永遠のテーマだと
いえますが、人を採用する際の面接において、良い人材の見分け方や悪い人材
を見極める方法はあるのかという質問がよくあります。
面接の段階で、悪い人材をふるい落して、良い人材だけを採用できれば、
企業にとっては理想的なことではありますが、面接という短い時間の中で、
人材を見極めることは、なかなか難しいことです。
例えば、これまでの業務経験や仕事に関するスキルであれば、
具体的で細かい質問をすれば、履歴書や職務経歴書に記載してあることが、
事実かどうか見極めることはできるでしょう。
しかし、コミュニケーション、マネジメント、協調性などのヒューマンスキル
は、応募者の考え方を把握できなければ、判断のしようがないのです。
そこで、企業の面接官は、面接という短い時間の中で人材を見極めるために、
わざと応募者の感情を逆なでするような質問をしたりして、応募者の本心を
探ろうとする人もいるのですが、そのような応募者の感情を逆なでするような
質問をしても、人材の見極めをすることは難しいでしょう。
確かに、企業の面接官が、応募者の感情を逆なでするような質問をすれば、
応募者が、その質問に対して、どのように対応するかを確認することは
できますが、そのような対応をして明らかになることは、応募者が、
冷静に対応できるか、感情的な対応をするか、不誠実な対応をするかが
分かるだけなのです。
数十年前ならいざ知らず、今時の応募者は、企業の面接官が、応募者の本心を
探る為や、応募者の反応を見るために、わざと、応募者の感情を逆なでする
ような質問をすることは、予備知識として知っていますので、大半の応募者は、
そのような質問に対しても模範的な対応を示すはずです。
では、面接という短い時間の中で、良い人材の見分け方や悪い人材を見極める
方法として、なにか特別な方法がないのかと考える方が多いと思いますが、
あえて、その方法をあげるとすれば、次の2つのやり方を組み合わせることです。
その方法とは、面接の時間を長くして、身近な話題に関する質問を
沢山することです。
何か凄く特別な方法を期待されていた方には、こんな方法で、
良い人材を見分けたり、悪い人材を見極めることができるのかと思われる方
が多いと思いますが、もう少し、説明をお聞きください。
例えば、身近な話題に関する質問には、若い応募者であれば、
「好きな芸能人は誰ですか?」という質問があります。
面接の場で、このような質問をしたことがある方は、なかなかいない
でしょうが、応募者からは、嵐、AKB48、EXILE(エグザイル)、
など、さまざまな返答があるでしょう。
この質問のポイントは、応募者が好むタレントを興味本位で知りたいのでは
なく、応募者の返答に対して、「なぜ、そのタレントが好きのなのですか」
という具合に、理由をどんどん深掘りして、応募者がなぜ、
そのタレントを好むのかという、応募者の考え方を知るためなのです。
さまざまな質問に対する理由を掘り下げていくことによって、応募者の価値観
や感性、物事を決める上での考え方の指針となるものが、何かを知ることが
できるのです。
また、応募者が、サッカーや野球などのスポーツ経験者であれば、
「もし貴方が、プロチームから勧誘を受けたら、貴方は、その誘いに対して、
どのような決断をしますか?」と尋ねれば、応募者が、保守的な考えを
持っているのか、挑戦的な考えを持ってるのかがわかるはずです。
更に、今後の、政治・経済・社会の動向について質問をして、
応募者の質問の理由をどんどん深掘りしていけば、応募者の知的レベル
も把握できますし、応募者が、どのような問題意識を持っている
のかも明らかになります。
どんな人も、普段から問題意識を持って、何かについて考えていなければ、
面接の場などで唐突に次から次に質問をされて、返答をできる人は、
まずいないでしょう。
このように、面接の時間を長くして、身近な話題に関する質問を沢山
することで、応募者の知的レベルを把握し、応募者のヒューマンスキル
を見極めようとするのです。
そのような方法を取らなければ、良い人材と悪い人材を選別することは
不可能といえますので、面接の段階で、良い人材と悪い人材を見極めたければ、
面接の時間を長くして、質問を掘り下げていく方法が最も有効といえます。
最後に、面接の段階で、良い人材の見分け方と悪い人材を見極める方法
としては、面接の時間を長くして、質問を掘り下げていく方法が効果的だと
説明しましたが、この質問を掘り下げていくスキルは、簡単なようで、
実は、なかなか高度なスキルです。
なぜなら、マーケティングに携わる者が、質問を掘り下げていくスキルが
身についていなければ、マーケティングのリサーチにおいて、顧客の本当の
ニーズを掴むことができません。
また、営業にに携わる者が、質問を掘り下げていくスキルが身について
いなければ、営業においては、顧客が本当に求めているものが何かを把握
することができないのです。
いくらマーケティングの理論を振りかざしても、顧客の本当のニーズを
掴むことができなけむれば、マーケティング理論が役に立つことはありません
し、営業成果をだそうと、いくら努力したとしても、顧客が本当に求めている
ものが何かを把握することができなければ、契約を取ることはできないのです。
要するに、質問を掘り下げていくスキルが、良い人材と悪い人材を見極める
成否を左右するのです。
ゆえに、質問を掘り下げていくスキルは、あらゆる職種に必要なスキル
といえるでしょう。
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