No1506・・・BIS規制
BIS規制とは、銀行の健全性確保を目的として、海外に営業拠点を持ち国際業務を行う
銀行の自己資本比率に一定の規制を設けている国際統一基準のことで、BIS(国際決済銀行)が
定めている自己資本は、基本的項目・補完的項目・準補完的項目で構成されており、
BIS規制は、自己資本の測定と基準に関する国際的統一化にもとづく、
いわゆるバーゼル合意に基づいた国際的規制です。
このBIS(国際決済銀行)が定めている自己資本の項目は下記の通りです。
BIS(国際決済銀行)が定めている自己資本の項目
・基本的項目(Tier1)
・補完的項目(Tier2)<永久劣後債・永久劣後ローン・劣後債・劣後ローンも含まれる>
・準補完的項目(Tier3)<期限付劣後債・期限付劣後ローンも含まれる>
尚、Tier2とTier3の合計額は、Tier1を超えてはならないルールがあります。
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また、BIS規制がバーゼル規制やバーゼル合意といわれるのは、国際決済銀行のバーゼル銀行監督委員会が
公表した規制であるからです。
このBIS規制では、国際業務を行う銀行の自己資本比率を最低8%と定めていますが、
バーゼルII自己資本比率規制では信用リスクの計算をより厳密にする為に、事務ミスや不正行為等によって
損失を被るリスクであるオペレーショナルリスクを対処とした新しい自己資本比率規制が導入されています。
国際統一基準による自己資本比率の計算式
自己資本(Tier1+Tier2+Tier3−控除項目)÷リスクアセット×100%
ちなみに、日本では、国内業務のみを行う銀行に対して、自己資本比率4%という規制が設けられています。
BIS規制の経緯
・1988年 BIS規制合意(バーゼルI 合意)
・1996年 市場リスク規制・トレーディングリスクの追加
・1998年 BIS規制見直し開始(バーゼルI の見直し開始)
・2004年6月 BIS規制見直し合意(バーゼルII 最終合意)
・2007年3月 BIS規制見直し適用開始(バーゼルII 適用開始)
・2009年12月 新BIS規制案公表(バーゼルIII 市中協議案公表 )
・2010年7月 新BIS規制改革パッケージ合意(バーゼルIII 規制改革パッケージの合意)
・2010年9月 新BIS規制改革最低自己資本基準の合意(バーゼルIII 最低自己資本基準の合意)
・2010年11月 G20にて新BIS規制包括的パッケージを承認(バーゼルIII 包括的パッケージを承認 )
・2010年12月 バーセル銀行監督委員会が新BIS規制最終文書を公表 (バーゼルIII 最終文書を公表 )