No189・・・コマーシャルペーパー(CP)
コマーシャルペーパー(CP)とは、企業が国内で発行する無担保の約束手形を
処理する負債の勘定科目です。
コマーシャルペーパーの発行は優良企業に限られており、コマーシャルペーパーは事業活動に
必要な短期資金を資金調達する為の、企業のデットファイナンスによる資金調達の1つの調達手段です。
このコマーシャルペーパー(CP)は、金融機関や証券会社が発行の取り扱いをし、
コマーシャルペーパーの販売は、金融機関、証券会社、短資会社が行っています。
また、コマーシャルペーパーの販売対象は、機関投資家等に限定されており、
個人へ販売することはできません。
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そして、コマーシャルペーパーは割引方式である為、CP券面額と販売価格の差額は、
コマーシャルペーパー利息として会計処理することになります。
また、コマーシャルペーパー(CP)は貸借対照表上は、金額の重要性がある場合には、
流動負債の区分にコマーシャルペーパーとして表示しますが、通常は流動負債の
区分のその他流動負債に含めて表示します。
そして、コマーシャルペーパー(CP)と社債は、企業にとっては直接金融による
調達手段の方法ではありますが、この2つの調達手段の大きな違いは調達できる
期間の長さであり、コマーシャルペーパーは一般的に償還期間が1年未満で、
30日以内の短期の償還期間のものが多く、コマーシャルペーパーは主に短期的な
資金繰りの為に利用されることが多い調達手段であり、社債の償還期間は
1年以上のものが多く、社債の主な発行目的は、有利子負債に対する銀行借入などの
間接金融の比率を低下させる為や設備投資資金として利用する場合などがあります。
※コマーシャルペーパー(CP)の仕訳例は下記の通りです。
例・・・コマーシャルペーパー(CP)を以下の条件で発行し、手取り資金は全額当座預金に
入金された場合。
■発行価格1000
■利息金額10
(借方) | (貸方) | ||
当座預金 | 990 | コマーシャルペーパー(CP) | 1000 |
コマーシャルペーパー利息 | 10 |
■コマーシャルペーパー(CP)に関する項目
・日本銀行は、日銀短観の追加指標としてコマーシャルペーパー(CP)発行環境判断指数も
定期的に公表しており、コマーシャルペーパー(CP)発行環境判断指数は、
企業が感じている、コマーシャルペーパーの発行環境のマインドを示したもので、
日本銀行は金融政策の1つとしてコマーシャルペーパーを買い取ることもあります。
・コマーシャルペーパー(CP)の発行適格企業には格付け基準が導入されており、
適格格付機関が高い格付けを与えた格付けの高い優良企業のみがコマーシャルペーパー(CP)を
発行することができます。
・コマーシャルペーパー(CP)は、一般的に、プライムレートより低い金利で
資金調達をすることが可能です。
・日本格付研究所(JCR)が、コマーシャルペーパー(CP)等の短期格付けをする際に重視している
財務指標には下記の指標があります。
コマーシャルペーパー(CP)の格付けに重視する財務指標
・当座比率
・流動比率
・経常収支比率
・手元流動性回転期間
・売上債権回転期間
・棚卸資産回転期間
・仕入債務回転期間