マーケティング部の役割とは、経営の羅針盤として、マーケットの変化の兆し
を捉えて、企業の方向性を明らかにし、企業の行動指針や司令塔としての役割
を担うことです。
また、マーケティング戦略とは経営戦略そのものであり、戦略が適切でないと、
いくら戦術が優れていたとしても、競合企業に打ち勝つことはできないで
しょうし、戦術の失敗は戦略で取り返せますが、戦略の失敗は戦術では
取り返せないのです。
このマーケティング部の役割には、企業経営全般の非常に幅広い業務領域があり、
主な具体的仕事は下記の通りです。
マーケティング部の主な業務
①市場調査(マーケット情報収集整理)
②各種情報システムの構築
③市場分析(3C分析、5Forces、SWOT分析)
④市場評価(セグメントの規模、セグメントの成長性、セグメントの魅力)
⑤マーケットセグメンテーション
⑥ターゲット市場の選定
⑦商品・サービス企画
⑧価格設定
⑨流通経路設定
⑩各種プロモーション(広告販促)
ちなみに、マーケティング戦略のスタートラインである、内外環境分析
をする際に、どこから手をつけるべきか悩んだ経験がある方は、
内外環境分析どこから手をつけるべきかを御覧ください。
また、マーケティングの仕事をするうえで、マーケティング部長や
マーケティング部スタッフに必要なスキルとしては、次のようなもの
があります。
マーケティング部長やマーケティング部スタッフに必要なスキル
①情報の取得・評価・解析分析のスキル
②物事を概念化し大枠を捉え全体像を理解するコンセプチュアルスキル
③計画化スキル
④計画や企画書を表現するスキル
⑤コミュニケーションスキル
⑥マーケティング戦略策定スキル
⑦営業・販売のスキル
⑧論理的思考力(ロジカルシンキング)
⑨創造的思考力(クリエイティブシンキング)
⑩未来予測スキル
上記のマーケティング部の役割の業務の中で、最も責任が重く重要といえる
業務が、マーケティング戦略を策定する業務で、マーケティング戦略の優劣が、
企業の競争力を決定づけるといえるでしょう。
ところで、大企業と比べて、中小企業は、「ヒト・モノ・カネ」の経営資源
が限られています。
そのような状況の中で、大企業と同じような全方位の事業活動をして
勝ち抜くことができるのでしょうか?
当然、全方位の事業活動は、力も分散されてしまうので、「ヒト・モノ・カネ」
の経営資源が豊富な大企業にはなかなか勝てないでしょう。
そのような時にこそ、マーケティング部の役割がクローズアップされます。
マーケティング部の役割の基本は、頭を使って、儲かる方法を考えることです。
そうすると、先ほどの例では、全方位の事業活動ではなく、どこかの事業領域
に絞ることを、マーケティング部では、考え始めるわけです。
しかし、マーケティング部としては、どの事業領域に絞るべきなのでしょうか?
それも、簡単なことで、マーケティングの基本理論ともいえる、自社が得意
とする事業領域を選択するべきなのです。
要するに、自社の強みが活かせる事業領域に特化して経営資源をその事業領域に
集中させるわけです。
弱い企業が、強い企業と戦うためには、力の劣る企業が選択すべき戦略
があるのです。
企業としては、激しい企業間競争がある市場にあえて挑み、戦い勝ち抜いていく
困難な道を選択するよりも、孫子の兵法でいう「戦わずして勝つ」といえる、
競争相手が全くいない市場で確実に売上をあげる方が、ビジネス的には、
容易なはずです。
そのような「戦わずして勝つ」方法を見出すことが、マーケティング部には
求められているのです。
このように、企業におい重要な経営判断の1つである、選択と集中という点
においても、マーケティング部が果たす役割が、非常に大きいといえます。
ゆえに、マーケティング部の役割は、経営そのものであり、企業業績を決定
づける重要な職責を担っているのがマーケティング部なのです。
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