財務分析


財務分析とは、財務諸表を基に、企業を様々な角度から分析することです。


この分析は、財務諸表や資金表を分析することにより、会社の収益力や財政状態を

客観的に把握することができます。


この財務分析の仕事は、企業に財務部経営企画部が存在しない場合は、

経理の仕事になります。


この分析では、各種アプローチ手法を活用し、時系列比較や同業他社等との比較を

することにより、企業の強みや弱み、改善すべき課題などが顕在化します。


また、財務の分析とは、別な視点から説明すると、会社を知ることであり、

会社を知る為に、会社の事が客観的に把握できる財務諸表を利用して

分析することです。


この分析をする際は、分析対象と他の何かを比較しなければ、

数値が良いか悪いかの判断ができませんので、一般的には、同業他社の

財務指標データと比較することになります。


同業他社の財務指標データを調査する際は、財務省が公表している

法人企業統計調査のデータが有用です。


この分析をする際は、様々な財務指標を活用しますが、財務分析指標の中で、

重要な財務指標をあげると、固定長期適合率、経常収支比率、回転期間が

特に重要といえます。


よって、財務分析において、固定長期適合率、経常収支比率、回転期間を

考慮しないことは、財務分析を何もしていないことと同じことで、これらの

財務指標は、この分析において必須の分析事項です。


そして、財務分析をする際に必要な財務諸表とは、損益計算書(PL)、

バランスシート(貸借対照表・BS)、キャッシュフロー計算書の財務3表であり、

資金繰り表も、当然、分析対象です。


更に、詳細な財務分析をする際には、用途に応じた資金表を利用する

ことになります。


ちなみに、財務分析は客観的な数値データ情報に基づく各種の財務指標を

分析することなので、定量分析と呼ばれており、この分析は、経営分析

1つの方法です。


また、財務分析をする際は、1年分のみの決算書を用意するだけでは

不十分で、最低3事業年度分は必要であり、その他では比較をしたい

同業他社の財務諸表も同じく準備をし、更に、同業種の業界標準の数値も

最低限必要になります。


そして、財務諸表を基に財務分析をするわけですが、この分析手法には

主に下記の5つのアプローチ手法があります。


収益性分析(企業が営業活動により利益を獲得する能力を見る分析)
安全性分析(企業の財務の健全性を評価測定する分析)
効率性分析(ヒト・モノ・カネが産み出した付加価値の分析)
生産性分析(企業がどれくらい資本を有効活用しているかを評価測定する分析)
成長性分析(企業の将来の成長の可能性を判断する分析)


尚、企業の生命線は資金繰りであるので、財務分析において最も重要な分析は、

安全性分析と効率性分析であり、安全性分析と効率性分析により、企業の財務

の健全性と企業の真の支払能力を掴むことが財務の分析において最優先される

べきことなのです。


ちなみに、財務分析資格には、証券アナリストの資格がありますが、

証券アナリストになる為の勉強をしても、実務で使える分析の手法

は身につきません。


財務分析資格を得る為に証券アナリストの勉強をするよりは、企業の財務構造

を理解していないと作成することができない、予算作成のスキルを身につける

ことこそが、現場で役に立つ分析スキルを身につけることに繋がります。


財務分析のスキルが身についているか気になる方は、

財務分析の目的理解していますか?を御覧ください。