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■経営企画室の役割
経営企画室の役割とは、社長の参謀で、経営者を補佐する羅針盤です。
また、経営企画室は、社長に対して自社の進むべき方向を的確に提案をしたり、
経営管理をする機能でもあり、現在の激変する経済環境の中で、事業環境変化に適応し
経営計画を達成する為には、必要不可欠な組織なのです。
ちなみに、経営企画室や社長室という組織が設置されていない企業では、経理部や財務部が
経営企画室の役割を、経理の仕事や財務の仕事として果たす必要があります。
また、経営企画室では、同業他社の財務指標データ等の情報を得て、競合企業の動向にも
目を配る必要があり、自社の経営課題の抽出も重要なミッションといえます。
経営課題の抽出方法が分からない方は、経営課題の見つけ方と経営課題の解決策の頁を御覧ください。
この経営企画室の役割には、企業経営全般の非常に幅広い業務領域があり、
主な具体的業務は下記の通りです。
経営企画室の主な業務
@経営方針と中期経営計画や単年度経営計画の策定(利益計画と資金計画)
A外部環境と内部環境の分析をし将来のシナリオを描く
B自社の強みと弱みを把握し、課題(ギャップ)を克服し、強みを更に強化する
C単年度経営計画や中期経営計画のBS・PL・CFの予算実績管理を実施する
Dマーケティング業務(組織に専属部署がなく営業部でもマーケティングの仕事をしていない場合)
E予算編成業務全体のマネジメント、予算管理制度の確立、予算規定の作成
F予算編成業務の問題と課題の解決
G新規事業計画立案や既存事業の撤退を判断する
H必要に応じて組織の改革と再編をする
I株主や投資家へ経営状況、財務状況、業績動向等の情報を発信するIR活動
Jその他、経営陣の意思決定のサポート
ちなみに、経営計画作成のスタートラインである、内外環境分析をする際に、どこから手をつける
べきか悩んだ経験がある方や、経営企画未経験の方は、内外環境分析どこから手をつけるべきかを
御覧ください。
■お勧めビジネスコラム
・いまさら聞けない財務の話し
・内外環境分析どこから手をつけるべきか
・財務管理の基礎知識が身についていますか?
また、経営企画室の仕事をするうえで、経営企画室長や経営企画室スタッフに必要な
スキルとしては、次のようなものがあります。
経営企画室長や経営企画室スタッフに必要なスキル
@情報の取得・評価・解析分析のスキル
A物事を概念化し大枠を捉え全体像を理解するコンセプチュアルスキル
B計画化スキル
C計画や企画書を表現するスキル
Dコミュニケーションスキル
E経営戦略策定スキル
Fマーケティングスキル
G管理会計の業務領域である、企業のあるべき姿を数値で示した総合予算作成スキル
H財務分析スキル
I経営の見える化のスキル
上記の、経営企画室の役割の業務の中で、最も責任が重く重要といえる業務が、
経営戦略策定と経営計画を作成する業務、そして、単年度経営計画や中期経営計画の予算を
達成する為に、経営をコントロールする業務です。
これらの業務が、経営企画室の担当職務である利益貢献度の高い業務なのです。
なお、財務管理のスキルが身についているか気になる方は、財務管理のスキル身についていますか?を
御覧ください。
一般的に、経営戦略と思われている大半は、マーケティング戦略の領域なので、
経営企画室に所属する者にとっては、マーケティング理論は必須といえます。
なお、マーケティングの仕事は、マーケティング部の役割ではありますが、一部の大企業や
中小企業では、マーケティング部を設置していない企業もあります。
そのような企業では、マーケティングの仕事は、経営企画室か営業部で行われています。
ちなみに、会社の中核的な部署である経営企画室の社員は、会社にとっての、いる社員といらない社員が
どのような社員であるのかも把握しておくべきです。
次に、経営戦略・経営計画・経営管理に関する、経営企画室の役割について説明します。
最初に、経営企画室に所属している方に質問しますが、社長から、会社の売上や利益を10倍にする
検討をして欲しいと言われたら、皆さんは、どうしますか?
そのような目標を達成する為に、営業社員の活動量を現在の10倍にする計画を作成しますか?
社員は、ロボットではありませんし、24時間365日働くことは無謀なことなので、
現在より、社員に10倍の努力をさせることは現実的ではなく不可能です。
では、社員の活動量は現在のままで、現在より飛躍的な成果を上げるためには、
何を重視するべきしょうか?
それは、戦略を重視するべきです。
戦略の無い、行き当たりばったりの経営では、戦術でカバーするのには限界があります。
いままでとは異なる発想に基づくやり方である戦略を導入しない限り、売上や利益を10倍に
することは不可能です。
要するに、飛躍的にハードルが高い目標を達成したい時は、根本的にやり方を変えない限りは
目標を達成することは不可能なのです。
また、激しい企業間競争がある市場にあえて挑み、戦い勝ち抜いていく困難な道を選択
するよりも、孫子の兵法でいう「戦わずして勝つ」といえる、競争相手が全くいない
市場で確実に売上をあげる方が、ビジネス的には、容易なはずです。
ゆえに、経営企画室の役割の業務の中で、最も責任が重く重要といえる業務が経営戦略なのです。
次に、企業は、経営戦略の方向性に基づき、あるべき姿である定性計画や定量計画で構成された
経営計画を作成することになります。
これらの計画は、様々な経営戦略に基づき作成され完成するものなので、経営企画室の役割である
経営計画は、実際の、事業活動や財務活動をする際の、羅針盤であり、行動指針ともいえるものです。
また、企業においては、理想である経営計画が作成されていなければ、経営問題と経営課題が
顕在化することはないので、このことからも経営計画の重要性が分かります
最後に、あるべき姿である経営計画が策定されていなければ、理想と現実のギャップである
自社の経営問題が明確にならず、経営をコントロールすることはできません。
そして、経営問題が明らかにならなければ、経営課題をタイムリーに把握することもできず、
その課題に対処することもできないので、経営をコントロールすることができないのです。
更に、経営企画室が、本当の意味で経営をコントロールする為には、経営の見える化(営業の見える化、
財務の見える化、その他活動プロセスの見える化)が実現できていなければ、予算と実績の本当の原因
である課題をタイムリーに把握することはできません。
ゆえに、経営をコントロールする経営管理をするためには、経営の見える化が欠かせないのです。
このように、経営企画室の役割を突き詰めると、経営戦略・経営計画・経営管理の業務に行き着き
ますので、これらの業務が経営企画室の役割として最も重要なわけです。
財務分析のスキルが身についているか気になる方は、財務分析の目的理解していますか?を
御覧ください。
ちなみに、自分が作成した経営戦略や経営計画、金融機関に提出する財務計画の妥当性に自信が無い方は、
計画の添削評価サービスが付いている、弊社の経営管理講座か、予算作成講座をご利用下さいませ。