No197・・・新株予約権付社債
新株予約権付社債とは、企業が発行する社債の種類の1つで、
デットファイナンスとエクイティファイナンスの両面を持っています。
商法改正により、従来の転換社債とワラント債は新株予約権付社債に
分類され、新株予約権付社債を企業が発行するためには、バランスシートや
収益力等の財務内容が優れている必要があります。
また、新株予約権付社債は、発行する企業の株を取得する権利が
付与されている社債ですが、企業は新株予約権だけを単独で
発行することもできます。
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この新株予約権を無償で与える制度がストックオプションで、
ストックオプションは主に会社の取締役や従業員に対して業績向上への
インセンティブとして支給され、ストックオプションを付与された者は、
付与された企業の株価が上昇すれば、キャピタルゲインを手にする事が出来ます。
また、従来の転換社債と呼ばれていたものが、
転換社債型新株予約権付社債で、この社債を取得した者は、
株価が転換価格を上回れば社債を株式に換えることができ、
転換社債型新株予約権付社債を株式に転換すれば、
市場で売却し値上がり益を得ることも可能です。
但し、一度、権利行使をすると社債部分が消滅し、再度社債に戻すことは
出来ないので注意が必要です。
尚、企業が新株予約権付社債は発行した時の会計処理は、一括法と区分法の
2種類の会計処理があり、一括法は、新株予約権と社債を区別せず社債発行の時と
同様に会計処理をする方法であり、区分法は、新株予約権付社債の発行時に、
割引発行をした場合に社債発行差金が生じる時にその額面との差額の金額を、
新株予約権とする会計処理になります。
※新株予約権付社債の仕訳例は下記の通りです。
例・・・新株予約権付社債1000を発行し、入金額は当座預金とした場合。
(借方) | (貸方) | ||
当座預金 | 1000 | 新株予約権付社債 | 1000 |