No37・・・与信管理
与信管理とは、与信調査をして取引をして良い会社と取引をすると
危険な会社を選別し、取引先毎に信用を供与して、販売代金(売上債権)等の
債権の回収の確実性を高めることです。
この与信管理の意味としては、与信とは、信用を与えることなので、
信用を与えた企業の管理をすることが、与信管理の意味といえます。
ちなみに、クレジットカードのクレジットとは、信用という意味です。
そして、与信管理の目的は、売上高の増収率を維持させつつ、債権回収率を減少させないことや
不良債権を減少させること、回収サイトを管理してキャッシュフローを増やすことといえます。
また、与信管理を怠り、売上債権の回収が滞ると、資金繰りにも
影響を与えますので、財務計画の前提条件である、売上債権回収サイトの
計画値と実績値に乖離がある場合は、営業・販売サイドの現場と蜜に連絡を取り、
取引先の実態を正確に掴む必要があります。
■ビジネスマンツーマンセミナー(会場はJR秋葉原駅徒歩1分)
・経営管理セミナー ・経営戦略セミナー
■ビジネス通信講座(電話で解説を聞き質問をすることが可能)
・予算作成講座 ・経営管理講座
そして、与信管理で重要なことは、取引をして問題ない取引先かどうかを
与信調査をして信用リスクを判断することと、相手企業毎に取引条件を
決定することです。
ちなみに、与信管理においては、画一的な与信管理基準・与信管理規定・与信管理マニュアルを
導入すると貸倒が増加する可能性があります。
その理由として、与信管理の方法としては、一般的に、取引先毎に与信管理限度額を
設定することが一般的ですが、与信管理の方法に、与信管理限度額という考え方を
導入すると、その与信限度額の設定金額までであれば、現状がどんなに酷い内容の
企業とでも取引してしまうからです。
このように、画一的な与信管理の方法を採用すると、貸し倒れリスクを最小限に
抑えることは難しいので、与信管理規定や与信管理マニュアルを作成することは、
非常に高度な業務といえます。
また、与信管理は、与信管理担当部署だけに任せるのではなく、他の管理部門と営業部門も
協力して与信管理業務に対応する必要があり、様々なリスクに対して柔軟に対応できる
プロセスの構築が重要で、全社員に与信管理の本質を理解させる必要があります。
そして、与信管理業務では、法律や数字だけの客観的な情報を与信の判断基準とするのではなく、
取引先の主観的な情報にこそ、与信判断の重要なポイントがあります。
尚、与信管理の基本的な業務内容としては、取引先の現場情報や登記簿謄本を
取得する等の情報収集、取引先に危険な兆候が無いかのチェック、
取引先の定性分析と定量分析、取引先の社内での格付け、取引先との与信管理上の
トラブル時の対処などがあります。
ちなみに、信用調査会社に企業の与信調査を依頼した際の調査報告書の主な項目は
下記の通りです。
与信管理に利用出来る調査報告書の主な項目
■登記・許認可・免許関係(登記事項の基本項目、事業に必要な免許や許認可)
■取締役・監査役・大株主(役員数と役員の内訳、株主の内訳と持株比率)
■従業員数・設備(社員数、正社員とアルバイトの内訳、主要な設備と設備の所在地)
■代表者についての経歴等(学歴、経歴、経営者としての評価項目、自宅の状況、趣味、後継者)
■資本関係・会社の沿革(親会社・子会社・関係会社の有無、会社設立の経緯と沿革、特記事項)
■業績推移(直近3期〜5期分の業績推移)
■主要クライアントと主要仕入先(主要取引先、取引先数、支払サイト、回収サイト)
■銀行取引状況(金融機関ごとの借入残高、短期借入金・長期借入金の内訳、借入金の返済期日、借入利率)
■現況と今後の見通し(事業内容、業界でのポジショニング、会社の特徴、資金調達について、最近の動向と見通し)
■財務諸表推移(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書)
■不動産登記簿謄本(所有不動産の状況、担保権等の設定状態)
■与信管理に関する項目
・与信管理方法としては、取引をして問題ない取引先かどうかを調査をして信用リスクを判断し、
相手企業毎に取引条件を決定します。
・与信管理基準の重要項目は、財務情報以外では、現状の企業の定性情報です。
・与信管理目的は、取引をして問題ない取引先かどうかを見極めることです。
・SAPの与信管理システムを導入すると、与信限度額を超過した企業に対する伝票処理を
自動的にストップすることができ、新規受注や出荷を人間の力ではなくシステムで
止めることができます。
・どの与信管理セミナーを受講するかのポイントは、企業の重要な定性情報には
どのような項目があり、その定性情報の情報収集の仕方を解説してくれる
与信管理セミナーであるかどうかです。
・与信管理規程を作成する際に、他社の与信管理規程を雛型としても、
その与信管理規程が、画一的な規定であれば利用価値はありません。
・日本与信管理協会では、与信管理知識・リスクの発見と評価・
リスクマネジメント手法に関する与信管理実務検定試験を実施しています。
・最近の経済情勢に危機感を持つ企業では、与信管理求人を増加する企業が
増えています。