No120・・・与信
与信とは、与信調査をして取引をして良い会社と取引をすると危険な会社を
選別し、取引先毎に信用を供与して、販売代金(売上債権)等の債権の回収の確実性を
高めることが与信なのです。
この与信は、与信管理を略してこのように呼ばれています。
また、信用供与を行なった後に、信用力を見直しすることを途上与信と言います
そして、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査会社では、
評価対象企業を、経営者の能力、主要クライアントと主要仕入先、財務分析、
などの視点で評価して、与信の評点ともいうべき客観的な点数で総合的に評価しています。
与信は資金繰りにも影響を与えますので、財務計画の前提条件である、
売上債権回収サイトの計画値と実績値に乖離がある場合は、営業・販売サイドの
現場と蜜に連絡を取り、取引先の実態を正確に掴む必要があります。
■ビジネスマンツーマンセミナー(会場はJR秋葉原駅徒歩1分)
・経営管理セミナー ・経営戦略セミナー
■ビジネス通信講座(電話で解説を聞き質問をすることが可能)
・予算作成講座 ・経営管理講座
与信で重要なことは、取引をして問題ない取引先かどうかを与信調査をして
信用リスクを判断することと、相手企業毎に取引条件を決定することです。
与信においては、画一的な与信管理規定や与信マニュアルを導入すると
貸倒が増加してしまいます。
また、与信業務は、与信管理担当部署だけに任せるのではなく、他の管理部門と
営業部門も協力して与信管理業務に対応する必要があり、様々なリスクに対して
柔軟に対応できるプロセスの構築が重要で、全社員に与信の本質を理解させる
必要があります。
そして、与信業務では、法律や数字だけの客観的な情報を与信の判断基準とする
のではなく、主観的な情報にこそ、与信判断の重要なポイントがあります。
尚、与信の基本的な業務内容としては、取引先の現場情報や登記簿謄本を
取得する等の情報収集、取引先に危険な兆候が無いかのチェック、取引先の
定性分析と定量分析、取引先の社内での格付け、取引先との与信管理上の
トラブル時の対処などがあります。
ちなみに、信用調査会社に企業の与信調査を依頼した際の調査報告書の主な項目は
下記の通りです。
与信管理に利用出来る調査報告書の主な項目(与信の評点の主要項目)
■登記・許認可・免許関係(登記事項の基本項目、事業に必要な免許や許認可)
■取締役・監査役・大株主(役員数と役員の内訳、株主の内訳と持株比率)
■従業員数・設備(社員数、正社員とアルバイトの内訳、主要な設備と設備の所在地)
■代表者についての経歴等(学歴、経歴、経営者としての評価項目、自宅の状況、趣味、後継者)
■資本関係・会社の沿革(親会社・子会社・関係会社の有無、会社設立の経緯と沿革、特記事項)
■業績推移(直近3期〜5期分の業績推移)
■主要クライアントと主要仕入先(主要取引先、取引先数、支払サイト、回収サイト)
■銀行取引状況(金融機関ごとの借入残高、短期借入金・長期借入金の内訳、借入金の返済期日、借入利率)
■現況と今後の見通し(事業内容、業界でのポジショニング、会社の特徴、資金調達について、最近の動向と見通し)
■財務諸表推移(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書)
■不動産登記簿謄本(所有不動産の状況、担保権等の設定状態)
■与信に関する項目
・与信費用とは、一般的に、不良債権処理額と一般貸倒引当金繰入額の合計のことを指しています。
・与信限度額とは、クライアントや取引先と取引をしてもよいMAXの金額です。
・途上与信とは、信用供与を行った後に、利用者・クライアント・取引先の状況を
審査することです。
・NP後払いでも与信審査は有るので、支払方法にNP後払いを選択しても与信審査に落ちる場合もあり、
NP後払いとは、商品の到着を確認後、銀行・郵便局・コンビニで後払いできるシステムのことです。
・裸与信とは、担保のない与信のことです。
・自社での与信活動は、当然、与信調査無料ですが、自社での情報収集の方が、
有料の与信調査よりも威力を発する場合があります。
・与信取引の意味は、信用を与えて取引をすることです。
・クレジット与信枠は、個人の勤務先・年収・借入金額等の信用情報を基に決定されます。
・リスモンG-与信ナビとは、リスクモンスターが提供する企業の与信情報で、
リスモンG-与信ナビは、帝国データバンクのG-Searchとともに企業の与信調査の際に
活用されています。