No540・・・完成工事高
完成工事高とは、建設会社が施主から請負った請負工事契約のうち
当期中に建設工事が完成した金額を処理する収益の勘定科目です。
完成工事高は、一般企業の損益計算書(PL)上の売上高に相当し、完成工事高の収益認識基準は、
工事完成基準と工事進行基準です。
完成工事高に対応する原価が、完成工事原価であり、完成工事高から完成工事原価を差し引いて、
完成工事総利益です。
また、完成工事高の未回収金額を示している勘定科目が、完成工事未収入金です。
建設工事着手前に受け入れた金銭がある場合は、未成工事受入金で処理することになります。
建設業の運転資金の計算式は下記の通りです。
未成工事支出金+完成工事未収入金−工事未払金=建設業の運転資金
この完成工事高は、日本の公共工事の入札に参加する際の経営事項審査項目の1つです。
経営事項審査とは、建設業法第4章の2に規定されている、建設業者の経営に関する事項の
審査等のことです。
この規定は、公共工事の入札に参加する建設業者は、国土交通省の審査を受けることを
義務付けているものであり、この審査では、建設業者の企業規模や経営状況などを
完成工事高などの財務数値に基づき審査しています。
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ちなみに、請負工事を引渡した後に、完成工事高に対する補修工事を無償で
行なう契約になっている場合や完成工事の瑕疵担保責任に備える目的の
引当金が、完成工事補償引当金です。
※完成工事高が計上される場合の仕訳例は下記の通りです。
例・・・施主から1050(税込)で請負った請負工事契約の工事が完成した場合。
(借方) | (貸方) | ||
完成工事未収入金 | 1050 | 完成工事高 | 1000 |
仮受消費税等 | 50 |