No195・・・完成工事補償引当金
完成工事補償引当金とは、請負工事を引渡した後に補修工事を無償で
行なう契約になっている場合や完成工事の瑕疵担保責任に備える目的の
引当金を処理する負債の勘定科目で、完成工事補償引当金は、建設業に特有の
引当金ともいえるでしょう。
また、完成工事補償引当金は、会計上の費用ではありますが、税法上は
費用(損金)とはなりません。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
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この完成工事補償引当金を計上する際は、過去の補償工事費の完成工事高に
対する実績率等を考慮して、将来の見積補償額である完成工事補償引当金を
算定します。
また、完成工事補償引当金は、保障期間によって貸借対照表での
表示区分が異なり、1年以内の保証である完成工事補償引当金は、
流動負債へ表示し、1年を越える保証である完成工事補償引当金は、
固定負債へ表示します。
そして、完成工事補償引当金は、債務性のある引当金に該当し、
その他の債務性のある引当金としては、製品保証引当金、賞与引当金、
退職給付引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金などが該当します。
ちなみに、完成工事補償引当金繰入額は、会計上は費用になりますが、
税務上では損金とはなりませんので、税務申告書を作成する際の
完成工事補償引当金繰入額の取り扱いは、別表4の加算項目に
完成工事補償引当金否認や完成工事補償引当金認容という名称で
課税所得に加算する必要があります。
尚、建設業特有の主要な勘定科目は下記の通りです。
@完成工事高・・・一般企業の売上高
A完成工事原価・・・一般企業の売上原価
B完成工事総利益・・・一般企業の売上総利益
C完成工事未収入金・・・一般企業の売掛金
D工事未払金・・・一般企業の買掛金
E未成工事支出金・・・一般企業の棚卸資産
F未成工事受入金・・・一般企業の前受金
G完成工事補償引当金
※建設業の総合予算を作成する際のポイントの1つは、製造業の製造予算の
作成要素の一つでもある、仕掛品回転期間に相当する、予算上の工事工期を、
どのように算定するかです。
※完成工事補償引当金の仕訳例は下記の通りです。
例・・・将来の補修工事見込みに基づき完成工事補償引当金1000を計上した場合。
(借方) | (貸方) | ||
完成工事補償引当金繰入額 | 1000 | 完成工事補償引当金 | 1000 |
完成工事補償引当金に関連する用語
※コンストラクションマネジメント
※ゼネコン、建設業セクター
※サブコン