No541・・・完成工事原価
完成工事原価とは、建設会社が施主から請負った請負工事契約のうち
当期中に建設工事が完成した工事原価を処理する費用の勘定科目で、
完成工事原価は、一般企業の損益計算書上の売上原価に相当し、
工事中の工事原価は、全て未成工事支出金として処理し、
工事が完成したら、当該工事原価を未成工事支出金から
完成工事原価へ振替えることになります。
※建設業財務指標データ
(日本の建設会社約47万社の規模別の財務指標データ)
・建設業財務指標
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また、建設業の企業の場合は、建設業法により工事台帳の
備え付け義務があり、工事台帳とは、工事案件毎に、工事名、
工事の受注金額、工事の期間、完成工事原価の内訳である、
工事の材料費、労務費、外注費、経費などを記載したものであり、
工事台帳は、定型の書式があるわけではありません。
そして、建設業の売上原価を算定する計算式は下記の通りです。
建設業の売上原価を算定する計算式
完成工事原価=期首未成工事支出金+当期総工事費用−期末未成工事支出金
また、完成工事高の収益認識基準は、工事完成基準と工事進行基準があり、
それぞれの内容は下記の通りです。
完成工事高の収益認識基準
@工事完成基準は、施主から請負った請負工事契約が完成した時に
一括して売上計上する方法。
A工事進行基準は、施主から請負った請負工事契約について、
工事の完成度合いに応じて工事収益を計上する方法。
ちなみに、請負工事を引渡した後に、完成工事高に対する補修工事を無償で
行なう契約になっている場合や完成工事の瑕疵担保責任に備える目的の
引当金が、完成工事補償引当金です。
尚、建設業特有の主要な勘定科目は下記の通りです。
@完成工事高・・・一般企業の売上高
A完成工事原価・・・一般企業の売上原価
B完成工事総利益・・・一般企業の売上総利益
C完成工事未収入金・・・一般企業の売掛金
D工事未払金・・・一般企業の買掛金
E未成工事支出金・・・一般企業の棚卸資産
F未成工事受入金・・・一般企業の前受金
G完成工事補償引当金
H修繕引当金
※建設業の総合予算を作成する際のポイントの1つは、製造業の製造予算の作成要素の
一つでもある、仕掛品回転期間に相当する、予算上の工事工期を、どのように算定するかです。
※完成工事原価の仕訳例は下記の通りです。
例・・・A工事が完成した。尚、A工事の原価は1000だった。
(借方) | (貸方) | ||
完成工事原価 | 1000 | 未成工事支出金 | 1000 |
完成工事原価に関連する用語
※ゼネコン、建設業セクター
※修繕積立金、マンション管理組合、修繕積立一時金(修繕積立基金)
※コンストラクションマネジメント
※サブコン
※建設工事受注動態統計調査、建設業セクター
※住宅着工統計、建築着工統計調査