No147・・・工事進行基準
工事進行基準とは、完成工事高の収益認識基準の1つで、工事進行基準は、
工事の完成度合いに応じて工事収益を計上する方法であり、企業会計原則では、
工事完成基準と工事進行基準の選択適用が認められています。
また、長期請負工事契約の場合には、工事完成基準を適用するのではなく、
工事の完成度合いに応じて工事収益を計上する工事進行基準を適用するのが
合理的です。
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尚、長期請負工事契約の場合に、工事進行基準を適用する合理的理由は、
契約によって収益が確定し保証されているため、工事完成まで収益計上を
しない事の方が企業の実体を正確に表さないためです。
ちなみに、これまでは、工事完成基準と工事進行基準の選択が可能でしたが、
2009年4月より、原則、開発請負契約プロジェクトは、工事進行基準による
収益計上が原則となります。
そして、工事進行基準の適用が原則となる背景には、日本の会計基準を
欧米の会計基準に合わせる目的と、大きな赤字案件のプロジェクトの完成時期を
ずらすことにより、赤字決算を意図的に避けるような粉飾決算を
防止する目的もあります。
尚、工事進行基準を適用するには、工事収益総額が明確であり、工事原価総額を
合理的に見積もることができ、決算時点での工事進捗度を正確に把握できることが
条件となっている為、これらの条件を満たす、クライアントとの契約内容にしたり、
正確な工事原価の予測と工事進捗の把握方法が企業には必要になります。
尚、建設業特有の主要な勘定科目は下記の通りです。
@完成工事高・・・一般企業の売上高
A完成工事原価・・・一般企業の売上原価
B完成工事総利益・・・一般企業の売上総利益
C完成工事未収入金・・・一般企業の売掛金
D工事未払金・・・一般企業の買掛金
E未成工事支出金・・・一般企業の棚卸資産
F未成工事受入金・・・一般企業の前受金
G完成工事補償引当金
※建設業の総合予算を作成する際のポイントの1つは、製造業の製造予算の
作成要素の一つでもある、仕掛品回転期間に相当する、予算上の工事工期を、
どのように算定するかです。