No543・・・完成工事未収入金
完成工事未収入金とは、建設会社が施主から請負った請負工事契約の
工事代金の未回収金額を示す資産の勘定科目で、完成工事未収入金は、
一般企業の売掛金に相当し、完成工事未収入金は、バランスシート上では、
流動資産の部に表示します。
この完成工事未収入金は、日本の公共工事の入札に参加する際の
経営事項審査項目の1つであり、経営事項審査とは、建設業法第4章の2に
規定されている、建設業者の経営に関する事項の審査等のことで、この規定は、
公共工事の入札に参加する建設業者は、国土交通省の審査を受けることを
義務付けているものであり、この審査では、建設業者の企業規模や経営状況等を
完成工事未収入金などの財務数値に基づき審査しています。
※建設業財務指標データ
(日本の建設会社約47万社の規模別の財務指標データ)
・建設業財務指標
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また、完成工事高の収益認識基準は、工事完成基準と工事進行基準があり、
それぞれの内容は下記の通りです。
完成工事高の収益認識基準
@工事完成基準は、施主から請負った請負工事契約が完成した時に
一括して売上計上する方法。
A工事進行基準は、施主から請負った請負工事契約について、
工事の完成度合いに応じて工事収益を計上する方法。
この完成工事高の収益認識基準は、以前は、工事完成基準と工事進行基準の
選択が可能でしたが、開発請負契約プロジェクトは、工事進行基準による
収益計上が原則となりました。
そして、工事進行基準を適用するには、工事収益総額が明確であり、工事原価総額を
合理的に見積もることができ、決算時点での工事進捗度を正確に把握できることが
条件となっている為、これらの条件を満たす、クライアントとの契約内容にしたり、
正確な工事原価の予測と工事進捗の把握方法が企業には必要になります。
尚、建設業特有の主要な勘定科目は下記の通りです。
@完成工事高・・・一般企業の売上高
A完成工事原価・・・一般企業の売上原価
B完成工事総利益・・・一般企業の売上総利益
C完成工事未収入金・・・一般企業の売掛金
D工事未払金・・・一般企業の買掛金
E未成工事支出金・・・一般企業の棚卸資産
F未成工事受入金・・・一般企業の前受金
G完成工事補償引当金
H修繕引当金
※建設業の総合予算を作成する際のポイントの1つは、製造業の製造予算の作成要素の
一つでもある、仕掛品回転期間に相当する、予算上の工事工期を、どのように算定するかです。
※完成工事未収入金の仕訳例は下記の通りです。
例・・・施主から1050(税込)で請負った請負工事契約の工事が完成した場合。
(借方) | (貸方) | ||
完成工事未収入金 | 1050 | 完成工事高 | 1000 |
仮受消費税等 | 50 |
完成工事未収入金に関連する用語
※ゼネコン、建設業セクター
※修繕積立金、マンション管理組合、修繕積立一時金(修繕積立基金)
※コンストラクションマネジメント
※サブコン
※建設工事受注動態統計調査、建設業セクター
※住宅着工統計、建築着工統計調査
※総合予算、製造予算、仕掛品回転期間、予算