No146・・・工事完成基準
工事完成基準とは、完成工事高の収益認識基準の1つで、工事完成基準は、
工事完成時に一括して売上計上する方法であり、企業会計原則では、
工事完成基準と工事進行基準の選択適用が認められています。
また、長期請負工事契約の場合には、工事完成基準を適用するのではなく、
工事の完成度合いに応じて工事収益を計上する工事進行基準を適用するのが
合理的です。
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(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
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尚、長期請負工事契約の場合に、工事進行基準を適用する合理的理由は、
契約によって収益が確定し保証されているため、工事完成まで収益計上を
しない事の方が企業の実体を正確に表さないためです。
このような工事完成基準を適用する業界には、建設業界、不動産業界、
IT業界などがあります。
この工事完成基準を適用していると、企業の正確な実体を表さないだけでなく、
大きな赤字案件のプロジェクトを受注していた場合などは、
経営者が巨額の赤字の責任を追及され、株主代表訴訟などになることを
回避する為に、赤字決算を避ける目的で恣意的に工事の完成を遅らせて、
表面上は黒字決算であることを装い、大きな利益が見込める事業年度に
赤字案件のプロジェクトの収益を計上するような粉飾決算にも利用される
可能性があります。
しかし、これまでは、工事完成基準と工事進行基準の選択が可能でしたが、
2009年4月より、原則、開発請負契約プロジェクトは、工事進行基準による
収益計上が原則となりますので、赤字案件プロジェクトの収益計上の先延ばしは
基本的に出来なくなります。
尚、建設業特有の主要な勘定科目は下記の通りです。
@完成工事高・・・一般企業の売上高
A完成工事原価・・・一般企業の売上原価
B完成工事総利益・・・一般企業の売上総利益
C完成工事未収入金・・・一般企業の売掛金
D工事未払金・・・一般企業の買掛金
E未成工事支出金・・・一般企業の棚卸資産
F未成工事受入金・・・一般企業の前受金
G完成工事補償引当金
※建設業の総合予算を作成する際のポイントの1つは、製造業の製造予算の
作成要素の一つでもある、仕掛品回転期間に相当する、予算上の工事工期を、
どのように算定するかです。