No147・・・円高トレンドの終焉
1971年のニクソンショックを起点とした40年間に渡る円高トレンドの終焉は、
ほぼ間違いないようです。
まず、円高トレンドの終焉を裏付けるファンダメンタルから確認すると、
日本の貿易赤字が定着してきたことがありますが、貿易赤字とは、輸出額より輸入額の方が多いことであり、
貿易赤字になると、日本の国外へ資金が流出していること意味します。
日本の貿易赤字の最大の要因は、火力発電向けの液化天然ガス(LNG)の輸入の急増であり、
LNGの輸入急増の原因は、原子力発電所を停止しているからなので、当面、この傾向が変化することは
ないでしょうから、貿易赤字によって円高要因となる実需の円需要が劇的に減少していきます。
もう1つの円高トレンドの終焉を裏付けるファンダメンタルとしては、日本の製造業が国内から海外へ
工場の移転を加速させていることであり、国内での製品の生産が減少してくれば、輸出できる製品も
当然少なくなってくるので、この点でも、円高要因となる貿易赤字が毎年膨らむ要因となり、
実需の円需要が減少してくるわけです。
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円相場の為替レートを大きく左右する、最も基本的で最も重要な要素の1つである日本の実需の輸出と輸入の
状況からも円高トレンドの終焉を実感することができます。
更に、2012年10月30日の金融政策決定会合にて、日本銀行が新たに創設した制度である貸出支援基金が
円安を促進させる可能性を秘めています。
日本銀行の貸出支援基金とは、日本の金融機関だけでなく、日本に支店を持つ海外のノンバンクを含む
金融機関に対しても最長4年間0.1%で資金を貸出すことになっており、しかも、貸出支援基金は、
資金を無制限で貸し出す制度なので、為替相場への影響は計り知れない効果があるはずです。
この貸出支援基金は、世界的な円キャリー取引を促し、世界の株式市場をはじめとした資産価格の
上昇に弾みをつけ、世界的なインフレの切っ掛けにすらなりえる可能性を秘めているといえるでしょう。
また、金融市場に影響力のある、BRICsの名付け親でもあり、
ゴールドマンサックスアセットマネジメントのジムオニール会長が、
円相場は歴史的なトレンド転換の時期であると述べていることも、世界の為替市場参加者の心理に
大きな影響を与えているはずです。
このように、現在は、円高トレンドの終焉だけでなく、世界の市場参加者が想定していないような
円の急落の可能性が更に高まっているといえますので、これまでの為替相場(為替レート)に対する固定観念を
捨て去る時期が到来したといえるでしょう。
関連ページ
・円安トレンドへの転換