No145・・・BIS規制と格付けの矛盾
ムーディーズやスタンダードプアーズ等の格付機関によるのEU加盟国の格下げが相次いでいます。
当然、格付機関の格付けが全て正しいとは思いませんが、EU加盟国の格下げは妥当なことでしょう。
しかし、ここで考える必要があることは、格付機関が格付けしていることは、格付け対象の国等が発行している
債券の償還を確実にすることが可能かどうかをランキング形式で評価しているので、
格付けが下がるということは、債券を償還する可能性が低くなるということであり、
リスクが高まるということになります。
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これに対して、BIS規制とは、銀行の健全性確保を目的とした規制なので、
BIS規制における自己資本比率を算定する際は、資産の評価を厳しくする必要があると思うのですが、
BIS規制の自己資本比率算定の際の国債の評価は、無リスクで評価するということになっています。
この点に、BIS規制Bと格付けの矛盾があるわけです。
BIS規制と格付けの意図するところの本質はそれほど変わるはずのものではないと思いますが、
格付機関では、債券を償還する可能性が低くなるとして格付けを下げているにもかかわらず、
BIS規制においては、国債のリスクに関して無関心になっているのです。
たしかに、現在の世界経済と金融システムの根幹を揺るがすことを、
国際決済銀行がすることはできないのかもしれませんが、そろそろ、このような杜撰なBIS規制を
改革しなければ、このつけは、一般企業や個人に多大な損失をもたらすことになるでしょうから、
今からでも、BIS規制を改革し、世界経済と金融システムを守る枠組みを再構築してもらいたいものです。