No78・・・株式投資の銘柄選択の際に注意すべきこと
株式投資をする際は、四季報や会社情報を見たり、
ネットで企業のHPのIRコーナーを見て、決算短信や有価証券報告書、
決算説明会資料等を調査し投資の判断をしていると思います。
しかし、それらの調査の大半は数字を調べることなのです。
確かに、それらの資料を見てPERやPBR等を調べる財務分析は
必要な事ではありますが、数字だけで判断をすると最も重要なことを
考慮しないことになってしまいます。
企業価値は客観的な数字には現れない部分が大きなウエイトを占めています。
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私も仕事柄、企業価値評価をクライアントから依頼されることが多いのですが、
企業価値評価のポイントは、数字として客観的に評価することが出来ない部分を、
いかに評価することが出来るかなのです。
例えば、先週大幅に株価が下落した東芝を例に挙げると、
確かにPERやPBR、株主資本の金額や有利子負債等の数値を見ると
とても買える様な企業ではないでしょうが、果たして本当にそのように評価して良いのでしょうか?
東芝が注目をされている事業の中で原子力発電がありますが、
この分野では東芝は世界のトップグループです。
しかし、この原子力発電が非常に利益を稼げる事業だとしても、
他社がすぐに参入できるようなものではなく、原子力発電は非常に専門的で高度な
技術力が必要であり、事業経験と技術の蓄積がない企業が参入することは、
到底不可能な事業で、極めて高い参入障壁があるのです。
どこの企業でも直ぐに取り組める物販・サービス業・飲食業等の企業の
財務数値と高度な専門的事業等の企業の財務数値を比べることは
ナンセンスです。
東芝がハンバーガー事業を新規に始めることはすぐに出来ますが、
マクドナルドが原子力発電事業をすぐに始めることは極めて困難です。
ゆえに、株式投資の銘柄選択の際は、単純に数値だけで異業種の企業を
比較することは注意すべきなのです。