No51・・・株主資本
株主資本とは、一般的には、株主が出資した金額とその金額を利用して
獲得した利益等を内部留保した金額の合計のことや貸借対照表の
総資産合計から負債合計を差引いた純資産の部の合計のことを指しており、
一般的に株主資本は、自己資本や純資産とも呼ばれています。
この株主資本が企業の総資産と比較して大きい企業は、
財務内容が安定している企業と見ることができるため、
企業の与信を判断する際は、資本金の金額だけで判断するのではなく、
株主資本の金額で判断すべきです。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
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また、株主資本の金額が多ければ多いほど株主の持分もそれだけ多いことになり、
株主資本は、1株純資産(BPS)を算出する基になる金額でもあり、
資金繰りの観点からも株主資本が充実することは好ましいことです。
ただし、株主資本の金額が正確な企業の純資産を表していない場合は多く、
企業の正確な価値を表わしていないケースとしては、不動産や未上場企業の株式を
多額に保有している場合、粉飾決算をしている場合、隠れた不良債権が
多額にある場合、版権等の法的権利がその権利に値する金額で評価されていない場合、
簿外負債がある場合等、貸借対照表の資産と負債が正確な時価になっていない場合です。
また、株主持分に対しどれだけのリターンを生んでいるかを示す指標として、
株主資本利益率(ROE)がありますが、株主資本利益率は財務レバレッジを
効かせることで改善することが出来るので、企業の真の収益力を見る場合は、
株主資本利益率よりも総資産利益率(ROA)を見るべきです。
尚、新会社法が施行されて、会社法においては、株主資本、自己資本、
純資産の定義が異なっており、会社法の株主資本の定義は、資本金、資本剰余金、
利益剰余金、自己株式の合計とされています。
会社法における株主資本、自己資本、純資産の定義
@株主資本は、資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式の合計。
A自己資本は、株主資本、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、
土地再評価差額金、為替換算調整勘定の合計。
B純資産は、自己資本、新株予約権、少数株主持分の合計。
ちなみに、劣後債や劣後ローンは 一般債務を返済した後に返済される債務なので
自己資本に近い性格を持ち、銀行などの金融機関は、一定割合の劣後債や劣後ローンを
自己資本に算入することができる為、実質的な資本の増強であっても希薄化も回避できる
ことも要因となり、劣後債や劣後ローンの発行は金融機関が多くなっています。
支払優先度 | ||||
←高い 低い→ |
||||
一般債務 | 普通社債 | 劣後ローン 劣後債 |
優先株 | 普通株 |
株主資本に関連する用語
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー