No1・・・株式公開準備と人材紹介会社
株式公開準備の検討を始めた会社がまず手をつけることは、公開準備の責任者を
採用することから始めるのが一般的でしょう。
その公開準備責任者の採用も、昨今は一般の雑誌・ネット・新聞等の求人広告ではなく、
人材紹介会社を通して採用する企業がほとんどだと思います。
企業が人材紹介会社に公開責任者の求人を登録すると、人材紹介会社からは、
企業がびっくりするほど、次から次に求職者を紹介してくれます。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
■ビジネススキルを磨くマンツーマンセミナーと通信講座のご案内
※セミナー会場は、JR山手線秋葉原駅徒歩1分(受講可能日時・平日・土日・祝祭日7時〜23時)
※各種通信講座は、受講期間6ヶ月から1年間(電子メールによる質問が何回でも可能)
・経営管理セミナー ・予算作成セミナー ・事業計画書作成セミナー
・予算作成通信講座 ・経営管理通信講座 ・経営計画作成通信講座
■各種コラム・ちょっと気になる四方山話・不動産相場情報
・経理利益貢献度・経理合理化の後に残るもの・いる社員といらない社員・四方山話・日本の不動産相場
■法人向けサービス(マーケティング、財務等の各種コンサルティング)
・社員研修セミナー(経理・財務・経営企画の社員研修) ・管理職代行サービス ・1日コンサルティング
その理由としては、人材紹介会社にとっても株式公開準備責任者クラスになると
高額な年収になるので、採用が決定すると人材紹介会社にとっても美味しい
案件なのです。
ちなみに人材紹介会社の報酬は採用人材の年収の20%から35%が相場に
なっていますが、ヘッドハンティング会社の報酬は、CFOなどの
エグゼクティブクラスの人材採用の場合では、年収の60%〜100%の報酬となる
ケースもあるくらいで、人材によってはそれ以上の報酬となるケースもあります。
次に、人材紹介会社が紹介する定番の人物は、有名な上場企業の管理職経験者、
比較的有名な規模の大きな企業で公開準備責任者経験がある人、管理職として
問題ない年齢、前職の年収が高額な人、プレイングマネージャーとして
活躍できない人、以上が人材紹介会社が優先的に紹介をしてくれる人物です。
このことが何を意味するかは説明するまでもないでしょう。
そうして、晴れて企業に公開準備責任者が誕生することになりますが、
ここからが企業にとって更なる苦難が始まります。
まず着任した公開準備責任者は、経営者に対して、色々な要求をしてきます。
その第一弾は、公開準備業務に耐えられる優秀な社員を何人も採用したいと
言いはじめるのです。
そして、早急に公開準備スタッフが揃わないと株式公開準備スケジュールに
支障が出ると言って経営者を間接的に脅すのです。
しかし、経営者に公開準備について相談できる人がいない場合は、公開準備責任者の
言いなりになってしまいます。
そして、ついにスタッフも揃い公開準備が進み始めるのですが、今度は公開準備の
あらゆる場面で経営者と公開準備責任者は衝突をするようになります。
その主な内容としては、公開準備責任者が杓子定規過ぎて、経営者が
公開準備責任者の助言に従わないようになることなのです。
そして、ついに、公開準備責任者が退職する事態に至ります。
そしてまたその時期に、人材紹介会社がさっそうと登場し、企業にとって最適な
人物を紹介してくれるのです。
そして、企業に新たな責任者が着任したら、またその企業内に新たな混乱が始まります。
このような展開が株式公開準備が進まない企業でよく見かける光景なのです。
以上のように、株式公開準備責任者に限らず、幹部クラスの人材採用の際は、
表面的な経歴に騙されて採用を決断することは、単なる人材採用の失敗に
留まらない企業にとって大きな損失に繋がる可能性があることを認識する
必要があります。