No516・・・過年度税効果調整額
過年度税効果調整額とは、税効果会計の適用初年度に一時差異等に
係る繰延税金資産又は繰延税金負債を計上する際に用いる勘定科目で、
過年度税効果調整額は、法人税等調整額のように、税引前当期純利益に
対して調整するのではなく、前期繰越利益剰余金に対しての調整項目となり、
過年度税効果調整額は、当期純利益には影響することはありません。
この過年度税効果調整額は、旧商法では、損益計算書の末尾に表示される
未処分利益を算出する際に、前期繰越利益の調整額として表示していましたが、
会社法においては、株主資本等変動計算書の項目である繰越利益剰余金の
当期変動額に表示します。
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ちなみに、旧商法と会社法の損益計算書の主な変更点としては、経常損益の部、
営業損益の部の見出しが廃止されたこと、旧商法では、各区分の利益を表示する
際は、営業利益や売上総利益などと表示していたが、会社法では、営業利益金額、
売上総利益金額などのように、利益の後に金額と表示されるようになったこと等が
あります。
また、過年度税効果調整額を計上する際には、繰延税金資産か繰延税金負債が
計上されることになりますが、繰延税金資産とは、将来還付される税金を見込んで
税効果会計を用い、貸借対照表に資産計上したもので、繰延税金負債とは、
法人税等の未払額に相当する金額を、税効果会計を用い、貸借対照表の負債に
計上したものになります。
※過年度税効果調整額が計上される場合の仕訳例は下記の通りです。
例・・・賞与引当金の繰入限度超過額が2000あり、実効税率を40%とした場合。
(借方) | (貸方) | ||
繰延税金資産 | 800 | 過年度税効果調整額 | 800 |