No100・・・自社株買い
自社株買いとは、企業が自らの自己資金で、自社株を株式市場の内外で
市場価格にて買い戻すことで、自社株買いをすると、1株利益(EPS)の
算出方法は、発行済株式総数から自己株式数を差引き算出するため、
1株当たり利益を増加させることがかでき、また、自社株買いと自己株式消却は
別のプロセスになります。
この自社株買いは、基本的には株主総会の決議を必要としますが、
株主総会で定款変更することにより、株主総会の決議を得ず、
取締役会のみで自社株買いの規模である自己株式取得枠や自社株買いの時期を
決定できるようになりました。
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また、自社株買いは、既存株主にメリットがあるので、配当性向とともに、
配当政策の一環でもありますので、配当金の支払総額と自社株買いの金額を
合計した金額が、企業が株主に実質的に還元した総額になります。
但し、自社株買いも、配当金の支払いと同様に資金の流出を招く為、
基本的には、企業の資金繰りに影響を及ぼさない為に、
フリーキャッシュフロー(FCF)の範囲内で実施することが基本となりますが、
企業の株価が1株純資産(BPS)やPER(株価収益率)と比較して、
著しく下落している時は、資金調達をしてでも自社株買いをすることが、
合理的な経営判断だといえます。
そして、企業は自社株買いをすることで、余剰キャッシュや株主資本が減少し、
バランスシートを圧縮することで資本効率が改善されますので、
総資産利益率(ROA)や株主資本利益率(ROE)の改善にも繋がります。
また、自社株買いを実行し、手元に金庫株として自己株式を保有しておけば、
M&Aの手段の1つである、株式交換の際に金庫株を活用することもできます。
尚、自社株買いをすることによる、自社の株価が上昇するメカニズムは、
発行済株式数の減少により、1株当たり利益(EPS)が上昇することで、
株価収益率(PER)が低下する等の1株当たりの価値が上昇することになります。
ちなみに、自社株買いをするだけでは、完全に自社株買いをした株数が
消滅した訳ではないために、いずれ自己株式が市場に再度放出され、
1株当たりの価値が減少してしまう可能性もあります。