No50・・・最近またQレシオが話題になってきました
最近またQレシオが話題になってきました。
Qレシオとは、PBR(株価純資産倍率)の指標に、純資産の含み損益を
加算して計算し、時価ベースのPBRを算出したもので、Qレシオは
実質株価純資産倍率とも呼ばれています。
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現在、米国は不動産を始めとする証券化商品等の資産価格の下落が
著しいこともあり、米国企業はQレシオが1倍をかなり上回っている
と見られており、資産価値から見ると米国企業の株価は更に値下が
り余地があると言われています。
またQレシオは、設備投資をする際に実物資産に設備投資をするか、
それとも株価が下落して割安な同業他社を買収するかの投資判断を
する際にも参考にされます。
その例として、半導体のA社が設備増強のため500億円の設備投資を
検討しているとします。
次に、同業のB社はA社が設備投資を検討している同じ設備を既に
保有しているとします。
そして現在、B社の株価は市況の影響を受けて時価総額が100億円に
まで下落しているとします。
そのようなケースの時にあえて実物資産に500億円の投資を実行するか、
それともB社の株式の買収を検討するかの判断をする際に、正確な企業価値
評価をしてQレシオを算出し経営判断をするのです。
米国と異なり、日本の大多数の企業は不良資産を抱えているどころか、
おそらく資産を時価評価すると、現在は更に株価純資産倍率は低下して
割安さが鮮明になるでしょうから、日本の企業に対してそろそろ経済合
理性が働き新規の買いが入る可能性もあるでしょう。
ちなみに、日本の1980年代のバブル期も証券会社が買い推奨する為に、
Qレシオが持ち出され、新日鉄、三菱重工、IHI等の含み資産関連が
いっせいに急騰しました。
またその当時は、企業業績(PER)では説明がつかないくらい株価が
上昇していて、日本の株価を正当化する指標としてQレシオが利用された側面
もありました。
以上のようにその当時の背景を振り返ると、現在も企業業績がV字回復する
可能性は低いでしょうから、もし日本の企業を買い煽るとしたら、日本の
1980年代のバブル期と同様に資産価値から見た割安さを強調する以外は
無いのでしょう。