No244・・・CDS
CDSとは、取引の保証人になる売買のオプション取引のことで、
企業の信用リスクが高まると、当然CDSの価格が上昇しないと
取引の保証人になろうとする人が現れないために、必然的に
企業の信用リスクを取引するCDSの価格は高くなることになります。
また、CDSは信用リスクを取引することですが、信用リスクとは、
与信を与えている信用供与先の財務内容悪化等により、取引相手の
資産価値が劣化・減少し資金を回収できなくなる可能性のことで、
信用リスクは債務不履行のリスクや貸倒れリスクでもあり、
信用リスクを許容可能な損失の範囲内にコントロールすることは
とても重要なことなのです。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
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ところで、CDSの取引が解消又は消滅するケースは、CDSを転売するか、
CDSの対象債務に、CDSの買い手がCDSの売り手へ支払いを求めることができる
クレジットイベント(信用事由)が発生した場合に、実際の損失額を現金で支払う場合と、
現物決済をする場合があります。
CDSのクレジットイベントには、ヘアカット(債務元本減免)も当然含まれますが、
仮に、ある債券のヘアカット(債務元本減免)がされた場合に、そのヘアカット(債務元本減免)を、
国際スワップデリバティブ協会が、CDSのクレジットイベントに該当しないと判断した場合は、
政治的な圧力がかかったと考えられ、その政治的な圧力がかかる理由としては、
銀行などの金融機関が、CDSの売りによる膨大な損失を被ることにより発生する可能性がある、
金融システム不安を回避する為等が考えられます。
また、CDSの現物決済とは、CDSの対象債務にクレジットイベント(信用事由)が
発生した場合に、CDSの買い手に対して、CDSの売り手が想定元本総定額を
支払うことです。
尚、CDSの取引の仕組みを考えると、CDSの買い手の主なメリットは、
CDSを転売することによるキャピタルゲイン(売却益)か、CDSの対象債務に
クレジットイベントが発生することで、CDSの売り手から想定元本総定額を
支払ってもらうことなので、CDSの買い手が、意図的にCDS対象企業の
信用不安をあらゆる手段を講じて煽ったり、企業の信用リスクに影響を持つ
格付機関等にCDSの買い手に都合が良い格付けをするように圧力をかける
可能性も考えられます。
ちなみに、サブプライムローンを発端とする金融危機を広げた金融商品に
CDOがありますが、CDOに組入れられる資産には、住宅ローンや企業貸付等の
貸出債権、社債、ABS、クレジットデリバティブ取引であるCDS、
不動産投資信託のREIT等があります。
■CDSに関する項目
・ 国際スワップデリバティブ協会は、EUによるギリシャ支援である
ギリシャ国債のヘアカット(債務元本減免)は、ギリシャ国債の債権者すべてが
削減対象になっていないので、CDSの行使条件に当たらないとの見解を示しており、
もし、今回のギリシャ国債のヘアカットがCDSの行使条件に当たらなければ、
ギリシャ国債CDSプロテクションの購入者が支払いを受けられないことを意味し、
そして、CDS市場の存在意義も消失してしまい、投資家は、リスクヘッジ手段を
失うことを意味するので、現代の金融の仕組みの崩壊ともいえる由々しき事象です。
CDSに関連する用語
※偶発債務、債務
※ソブリンリスク、信用リスク、国債、デフォルト(債務不履行)、ソブリン債、債券
※国際スワップデリバティブ協会(ISDA)
※通貨スワップ取引、金利、デリバティブ取引(金融派生商品取引)
※クーポンスワップ取引
※為替予約
※スワップ取引、キャッシュフロー
※コモディティスワップ取引
※新円切換
※アメリカ新通貨発行と金本位制度
※GSR(ゴールドシルバーレシオ)
※格付け
※オフショア
※資産の流動化に関する法律、資産流動化法
※オフバランス処理、貸借対照表、オフバランス
※資産流動化、売掛債権、不動産、資金調達
※債権流動化、売掛債権