No487・・・退職給付引当金
退職給付引当金とは、当期までに発生した従業員などの退職金である退職一時金と
確定給付企業年金を退職給付会計により計上した引当金を処理する負債の
勘定科目で、退職給付引当金の計上方法には原則法と従業員300人未満の
企業が適用できる簡便法があり、退職給付引当金は、バランスシート上では
固定負債の部に表示することになります。
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(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
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この退職給付引当金は、個人毎の退職給付債務の総額で算出し、
退職給付引当金の算定手順は下記の通りです。
退職給付引当金の算定フロー
①退職給付債務見込額の計算
②各事業年度の退職給付見込額の計算
③退職給付引当金の計算
まず、①の退職給付債務見込額の計算をする際は、従業員の予想退職時期毎に
退職一時金の支給見込額と年金現価の支給見込額に退職率・死亡率を加味し
算出します。
次に、②の各事業年度の退職給付支給見込額の計算をする際は、原則、
退職給付支給見込額を全勤務期間で除した金額を各事業年度の
退職給付支給見込額とします。
最後に、③の退職給付引当金の計算をする際は、各事業年度の
退職給付支給見込額を割引率を用いて現在価値に割引き計算します。
また、退職給付引当金を算定する際に用いる退職率は、各企業毎に、リストラ等の
異常値を除いた過去の実績に基づき合理的に算定し、死亡率は、生命統計表などに
基づき合理的に算定します。
そして、退職給付引当金を算定する際に用いる割引率は、期末の長期国債・
政府機関債・優良社債等の利回りを適用することになります。
尚、退職給付引当金は、退職給付債務の総額から期待運用収益の金額を差引き
算定し、期待運用収益とは、企業の年金資産の運用により期待される収益の
事で、年金資産額に期待運用収益率を乗じて計算することになります。
ちなみに、退職給付引当金の金額は、その算出過程からも明らかなように、
割引率と期待運用収益率の数値次第で大きく変化することになります。
※退職給付引当金の仕訳例は下記の通りです。
例・・・従業員の退職給付引当金を1000計上した場合。
(借方) | (貸方) | ||
退職給付引当金繰入額 | 1000 | 退職給付引当金 | 1000 |
退職給付引当金に関連する用語
・勤務費用
・利息費用
・期待運用収益
・過去勤務債務
・数理計算上の差異
・会計基準変更時差異
・退職給付債務
・退職給付費用
・退職給付引当金繰入額
・退職給付会計
・退職金、退職一時金、確定給付企業年金
・オフバランス
・割引率、現在価値
・代行返上
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