No1563・・・退職給付費用
退職給付費用とは、従業員が一定期間にわたり会社に勤務した労働対価として退職以後に
支給される予定の退職金である退職一時金と確定給付企業年金( 401K)に関する債務を退職給付会計基準に基づき
計上する費用の勘定科目のことで、退職給付費用は、勤務費用、利息費用、期待運用収益、
過去勤務債務の償却費用、数理計算上の差異の償却費用、会計基準変更時差異の償却費用で構成されています。
以前の企業会計では、将来支払いが予想される退職給付債務は、
正式な債務として認識されず、これまでは隠れ債務(オフバランス)となっていましたが、
退職給付会計では、労働対価の後払いとして、退職時や退職後に従業員などに支給が予想される
退職給付債務支払総額を、市場金利を考慮し割引率を用いて現在価値に割引き退職給付債務とします。
※全産業人件費率データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の人件費率データ)
・全産業人件費率
・製造業人件費率
・非製造業人件費率
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この退職給付費用の構成要素は下記の通りです。
退職給付費用の構成要素
・勤務費用
・利息費用
・期待運用収益
・過去勤務債務
・数理計算上の差異
・会計基準変更時差異
また、退職給付費用の計算式は下記の通りです。
■確定給付型企業年金制度を実施している場合
・退職給付費用=勤務費用+利息費用−期待運用収益+過去勤務債務の償却費用+
数理計算上の差異の償却費用+会計基準変更時差異
■退職一時金制度を実施している場合
・退職給付費用=勤務費用+利息費用+過去勤務債務の償却費用+数理計算上の差異の償却費用+
会計基準変更時差異
尚、過去に引当金計上した退職給付引当金を超える金額を支給をする際は、支払時に退職給付費用として
処理することになります。
ちなみに、退職給付債務と退職給付費用は違いの質問を受けることがありますが、
退職給付債務とは、従業員が一定期間にわたり会社に勤務した労働対価として退職以後に支給される予定の
退職金である退職一時金と確定給付型企業年金に関する退職給付費用を過去から現在まで累積したもののことなので、
退職給付債務は、企業の期末のバランスシートに計上されている退職給付引当金ということもできます。
ということで、退職給付債務と退職給付費用は違うものです。