経常収支とは、現金収支上の経常的な現金収入と経常的な
現金支出の差額のことで、経常収支は、資金繰り表の経常収入から
経常支出を差し引き算出されたものであり、経常収支は、損益計算書の
経常損益の数値でありません。
この経常収支における経常収入とは、損益計算書(PL)の営業損益と
経常損益に関係する現金収入のことで、売掛金の入金や現金売上高、
営業外収益などが経常収入になります。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
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次に、経常収支における経常支出とは、損益計算書(PL)の営業損益と
経常損益に関係する現金支出のことで、原材料や商品代などの
買掛金の支払、現金仕入高、人件費等の販管費や支払利息等の
営業外費用等が経常支出になります。
そして、企業の経常収支を的確に掴むことは、企業の真の支払能力を
把握することであり、毎期経常収支がマイナスの企業は、その足りない
金額を資金調達出来なくなった時が、資金ショート=倒産の時で、
利益が多額に計上されていても、黒字倒産の可能性すらあるので、
経常収支を的確に掴むことは、資金繰りにおいても重要なことです。
また、経常収支がマイナスの状態である経常収支比率が100%を
下回っている状態が数期間続いている企業は、経営活動に異変がある
シグナルを示している可能性が高いといえます。
ちなみに、経常収支の仕組みを理解することは、経理部、財務部、経営企画室に
所属する社員にとっては、初歩的なことです。
この経常収支を示す、資金繰り表の概要としては、一般的には大きく
下記のように区分されています。
@経常収入の項目
A経常支出の項目
B経常外収入の項目
C経常外支出の項目
尚、財務をよく理解していない人が、見積資金繰り表を作成する際は、
一定期間の現金収入と現金支出だけを予想して資金繰り表を作成していますが、
見積資金繰り表の作成方法の基本は、見積貸借対照表と見積損益計算書を
作成することなので、見積資金繰り表だけを作成しても、論理的整合性の無い
資金繰り表しか作成することは出来ません。
最後に、国の主な収支には、財政収支・経常収支などがあり、財政収支とは、
歳入と歳出の差のことで、国や地方公共団体の場合、一般企業の経常収支に
相当するのが、基礎的財政収支(プライマリーバランス)です。
この基礎的財政収支は、過去の借金の元利金支払や新規の国債や地方債の
発行収入は除外されており、基礎的財政収支は、単年度の税収から過去の
借金の元利金支払以外の支出を差引いたものです。
ちなみに、国の収支である経常収支は、国の経常収支構造を表す際に用いられ、
この場合の経常収支とは、貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支で
構成されています。
■経常収支に関する項目
・日本の経常収支の推移は、1985年から2008年までは毎年10兆円前後から25兆円となっており、
日本の経常収支は、一貫して右肩上がりとなっていますが、最近は、将来に日本の経常収支が
赤字に転落すると予想する人が増えています。
・国際収支統計は、経常収支、資本収支、外貨準備増減の3つで構成されています。
・日本の経常収支推移は、財務省が公表しており、財務省のHPにアクセスすると
日本の経常収支推移を確認できます。
・貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支を合計してプラスであれば経常収支黒字で、
貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支を合計してマイナスであれば経常収支赤字です。
・経常収支と財政収支の両方が赤字の状態を双子の赤字と表現されていますが、
米国は、経常収支と財政収支の両方が赤字である双子の赤字になる年が多い国です。
※在庫管理、適正在庫、予算編成、予算
※新円切換
※アメリカ新通貨発行と金本位制度
※GSR(ゴールドシルバーレシオ)
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー、予算、金融、金利