No264・・・経常支出
経常支出とは、損益計算書の経常損益に関連する現金支出のことで、
経常支出は、売上原価・販管費・営業外費用などが現金として
支払われたもので構成され、経常収入を経常支出が上回る時が、
経常収支比率が100%を下回っている状態で、経常収支比率が100%を
下回る状態が続けば、資金ショートの可能性が高くなり、
利益が多額に計上されていても、黒字倒産の可能性すらあります。
この経常支出の内容としては、現金仕入や仕入債務の支払い、
現金による営業外費用や営業外費用の未払分の支払い、
そして営業活動の取引により、商品や原材料等の仕入れ前に、
代金の一部又は全部を手付金や内金として現金を支払った
前払金(前渡金)などで構成されています。
※全産業財務指標データ
(日本企業約280万社の業種別・規模別の財務指標データ)
・財務指標データ
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また、損益計算書上の売上原価・販管費・営業外費用が減少しても、
資金繰り表の経常支出の金額が売上原価・販管費・営業外費用に比例して
減少しなかったら、経常収入の金額次第で経常収支がマイナスになり、
資金繰りを圧迫することになりますので、経常支出の金額に影響を与える、
支払サイトのコントロールは欠かせません。
そして、経常支出の金額に影響を与える支払サイトとは、取引先(仕入先)との
取引代金の締日から回収日までの期間のことです。
また、経常支出が経常収入を上回る状態になった時に、現預金残高が
その経常収支がマイナスになる金額より少ない場合は、資金が不足する
状態になるので、その不足する金額を資金調達できなければ、
資金ショート=倒産という事態に陥る為、資産を売却したり、
金融機関などから借入をすることにより、経常収入の不足分を
カバーすることになります。
尚、資金繰り表の概要としては、一般的には大きく下記のように
区分されています。
①経常収入の項目
②経常支出の項目
③経常外収入の項目
④経常外支出の項目
ちなみに、財務をよく理解していない人が、見積資金繰り表を作成する際は、
一定期間の現金収入と現金支出だけを予想して資金繰り表を作成していますが、
見積資金繰り表の作成方法の基本は、見積貸借対照表と見積損益計算書を
作成することなので、見積資金繰り表だけを作成しても、論理的整合性の無い
資金繰り表しか作成することは出来ません。
経常支出に関連する用語
※財務、資産、負債、純資産、損益、キャッシュフロー